<宇宙はバグることがあるか>

宇宙はバグることがあるか


 この宇宙は完全であり、コンピュータプログラムのように時々バグったり、フリーズするような異変は絶対に起こらないのだと信じられているが、果たして本当にそうなのだろうか。我々が認識出来ないだけの話ではないのだろうか。

 シミュレーション仮説と呼ばれる宇宙論がある。この宇宙は何らかの仮想現実であって、コンピュータシミュレーションのようにシミュレータで作り出された世界であり、我々がシミュレーションであるのに気が付いていないだけであるという理論である。

 確かに、プランク定数などの物理定数が、なぜ最適な値に決まっているのかとか、プランク定数よりも短い時間では宇宙の法則が壊れているのもパイ中間子理論などで実証されているだけに、宇宙が同期クロックでシミュレートされている仮想現実だと言えないこともないわけである。

 しかし、宇宙がシミュレーションされている仮想現実であれば、機械の故障でバグったり、フリーズする現象が必ず起こるわけで、そういう現象が宇宙で起こらないのはなぜかという問題が生じる。

 つまり、宇宙は不完全であって、ときどき物理法則が壊れる異常現象が起こっているのだが、我々には知覚出来ないので、それを認識出来ないだけの話で、実際には頻繁に物理法則が壊れる異常現象が起こっていると考えても良い。物理法則が壊れては、正常に戻る過程を繰り返しているのだが、我々には認識出来ないので、それが起こっていると考えないだけだというわけである。

 シミュレーション仮説で考えると、宇宙は頻繁にバグったり、フリーズしては正常に戻る現象を繰り返しているのだが、我々は何も起こっていないという認識しか出来ないというわけである。

 実の話、なぜ、異変や異常現象が起こるのかという問題がある。全ての現象が物理法則で完全に決まっているのであれば、予測出来ない異変や異常現象は起こらないはずである。ところが、実際には、異変や異常現象は珍しいものではない。宇宙が完全であれば、人類の文明も完全な物が作れるはずだが、人間が作った物で完全な物など一つも無い。全てに寿命があり、故障があり、異常動作がある。宇宙にも寿命があるが、故障や異常動作があるかどうかはわかっていない。宇宙が故障や異常動作をしていれば、考えられないような天体が発見出来るはずだが、そういう天体はあるのだろうか。

 昔は完全だと信じられていた恒星や銀河だが、現在では変動や爆発を頻繁に起こす例が多いのがわかって来ている。宇宙に異常現象が無いはずが無いわけで、そういう現象が起こっていないとは言い切れない。我々が生活している時に、今日は運が良いとか、悪いとか、異変が多いと感じる事があるのは、単なる自然現象だけが原因なのだろうか。



                                   <NOBUAKI>