<テレビ離れとテレビの弊害>

テレビ離れとテレビの弊害


 今更ではないが、ニューメディアの夢を全て実現したのはテレビではなくて、インターネットだった。多チャンネル放送、時間差放送、過去番組の閲覧など、テレビでは実現不可能な夢を実現したのはインターネットだったのである。結局、テレビで実現されたのは高解像度放送だけであった。

 4Kテレビが実現しても、テレビ放送は何も変わらない。決まった日付と時間にならないと番組は放送されないし、一度放送された番組を後で見るには録画しなければならない。YouTubeのように、ニュース番組をまとめて動画閲覧出来るような便利な機能は無いし、大昔の番組を探して見ることも出来ない。

 21世紀に入ってから、パソコンの技術革新が驚くべき速度で進んだ結果、ニューメディアはパソコン上で実現されたものになり、テレビは過去の遺物となって、テレビ離れが急速に進んだ。テレビの弊害に対する視聴者の批判も辛辣なものに変わっている。

 インターネットは全ての情報を飲み込もうとしている。テレビでは法規制によって見られない画像や映像が、インターネットでは誰でも閲覧出来るものに変わり、欧米では法規制の撤廃が進み、日本では法規制の空洞化が進んでいる。

 現実に合わない法規制が続いた結果、インターネットと競合する番組や出版物は次々と潰れて行き、本屋の倒産、雑誌の休刊や廃刊が相次ぎ、視聴率が取れない番組が急増して、番組編成は過去とは様変わりしている。赤字経営に陥る放送局も増えている。著作権保護団体が著作権法に介入した結果、録画番組のコピーも出来ないありさまである。

 テレビを巡る環境が大きく変わった結果、テレビを見ない人が増え、番組視聴率も大きく低下した。写真週刊誌の廃刊が進み、週刊誌も漫画雑誌も休刊や廃刊が増え続けている。メディア革命の顛末である。

 テレビ離れや出版離れが進んだのは、情報革命の必然だろうか。情報量が少ないメディアは淘汰されていく傾向があるようだ。個人が保有する情報量が過去と比べて大きく変わったせいかもしれない。

 情報革命以前は、本、写真、レコード、ビデオなどは、大量に持つには負担が大きかった。費用がかかることもあるが、場所を取るので、部屋が狭くなる問題が生じるからでもある。専門書や単行本などの捨てられない本だけ残して、漫画や週刊誌などの雑誌は定期的に捨てる人が多かったように思う。実際、本を捨てなければ、寝る場所も無くなるのが現実である。

 ところが、情報革命以降は、本はイメージスキャナーでパソコンに読み取れるし、写真はデジカメで撮れば、何万枚でもパソコンに保存出来る。CDレコードはパソコンに読み込んで聞いている人がほとんどだろう。ビデオもパソコンで録画して見る人が多いのではないだろうか。全ての情報がパソコンに集まって来ているのが現状である。

 今のパソコンは情報の貯蔵庫である。昔だったら捨てるしか無かった大量の情報が、パソコンに貯蔵して閲覧出来るようになった。昔はアルバム2~3冊しか無かった写真が、今では写真集が何十冊も出せるほどの量に達している人が多いだろうと思う。情報に関する限り、豊かな時代である。

 情報面で豊かになった結果、テレビ離れや出版離れが進んだとも言える。インターネットで情報収集出来るようになったので、放送法や出版法で規制されている映像や写真には見向きもしなくなった。隠蔽されている情報、捏造された事件に関心が高まり、情報公開しないマスコミへの不満が渦巻いている。

 テレビしか無かった時代は受け身の姿勢を強いられていたのが、インターネット社会の現在では、能動的に情報発信が出来るようになり、受け身の姿勢を強制されるテレビや本などのマスメディアに対して倦怠感を持つ人が増えているのではないだろうか。

 何時間も我慢して映像を見続けるのに堪えられなくなったと言うべきか、何時間も映像を見続ける行為は、自分自身を見失う行為かもしれない。映像と現実の違いがわからなくなって事件を起こした例もある。テレビ離れは映像と現実を分ける一歩だろうか。

 テレビの弊害に関しても多くの人が書いているが、テレビによるサブリミナルやマインドコントロールによって民衆統治をおこなっていたのが、政府とマスコミの実態かもしれない。テレビで宣伝すると、嘘でも、デマでも、視聴者が信じ込むのを利用して、政治をおこなって来たのが実情だろう。アニメなどは若者を洗脳する道具と呼んでも良い。映像や音声の中に、脳では意識されない情報がテレビを通して送られている事実に気がつかない人が多いのである。

 幼児殺人や通り魔事件などの凶悪事件が増えたが、武器を向ける相手を間違えているとしか思えない。ロリコンやペドフィリア(幼児性愛)、問題の短絡的な武力解決をアニメ番組で宣伝して来たのはテレビであるのを理解出来ずにいる若者が多いように思う。狂人の会話しか出て来ない番組が多いのがわかっていないのである。

 テレビ脳と言われるように、ブラウン管テレビが脳に与える本能的な影響に関して詳しい情報が公開されていれば、起こらなかった事件が多いのではないだろうか。液晶テレビが主流となった2011年以降に、テレビ離れが深刻化したのは偶然では無いだろうと思う。

 テレビ離れ、出版離れが続くのは、インターネットが原因と言うよりも、一方的なメディア宣伝しか考えなかった政府とマスコミのテレビ依存体質にあるように思う。



                                   <NOBUAKI>