<貧乏神現象とは何か>

貧乏神現象とは何か


 貧乏神と言えば、昔から資産家が財産を失って傾いたり、不幸が続いた時に、貧乏神が取り付いたと言われるが、言い伝えに過ぎないもので、今では、科学的根拠があるものではないと考えられている。しかし、戦前から戦時中までは、科学的な研究がおこなわれていた時期があったようだ。

 貧乏神を科学的に定義すると、「物理現象を利用して、民衆の消費行動を操り、特定の製品需要を落として企業を倒産させたり、地域経済や国家経済を追い詰めるもの。」とでも呼ぶべきだろうか。

 現在では、民衆の消費行動を操っているのはマスメディアであり、宣伝広告以外の方法で民衆の消費行動を変える方法は無いと考えられているが、貧乏神現象は広告宣伝以外の物理現象で消費行動を変える方法である。

 おそらく、バタフライ効果として知られている現象が経済面で現れた場合を、そう呼んでいるのだと思われるが、貧乏神現象を経験した人は少なくないかもしれない。

 →バタフライ効果

 貧乏神現象とは具体的にどういうものかと言えば、日刊、週刊、月刊で発売されている新聞や雑誌があるのは御存知だろうと思う。いつも継続的に買い続けている新聞、週刊誌、月刊誌では貧乏神現象は起こらない。

 ところが、今までに一度も買った事が無い新聞や雑誌を生涯に1度だけ買い、それ以降は買わなかったとする。その後で、何年もの時間が過ぎると、民衆の消費行動に影響が出て、その新聞や雑誌が休刊や廃刊に追い込まれるというものである。民衆の消費行動を連鎖させる現象と呼んでも良い。

 私も言い伝えでは貧乏神現象を知っていたが、実際に起こるのを経験するまでは信じていなかった。偶然が重なっただけのものを誤認したものと考えていたし、人によって貧乏神現象の大きさが違うのも、詳しく解明されていなかったからである。叔母から年間契約で本を買うように言われたのは考え過ぎだと思っていた。

 しかし、バブル時代に今まで買った事が無かった雑誌を1冊ずつまとめ買いして置いて、後は買わずに置いたら、バブルが終わって、しばらく過ぎてから調べてみると、全て廃刊になっていたのに驚いた事がある。出版不況と呼ばれている現在では珍しい事ではないが、何十年も続いていた老舗の雑誌まで含まれていた。

 誰でも多少は起こる現象だが、人によっては、貧乏神現象で出版社が倒産に追い込まれる場合もあるという。もっとも、発行部数が多い雑誌まで休刊や廃刊に追い込んだ例は少ないようである。

 今では、人間の消費行動が経済に与える影響に関して、貧乏神現象は考慮されていない。迷信に過ぎないと考えられているが、雑誌の休刊が多い現在、本屋の店頭で考える事が多い現象である。



                                   <NOBUAKI>