<グランドキャニオンのような火星表面>

グランドキャニオンのような火星表面


 NASAの火星探査車キュリオシティが100ミリのマストカメラ(Mastcam)で撮影した火星のシャープ山(5500m)の山腹は、堆積物による地層が積み重なったもののようだ。

 →火星にもグランドキャニオン? NASAの探査機撮影
 →グランドキャニオンのような火星の地表

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 火星探査車キュリオシティが撮影したシャープ山(5500m)の山腹に見られる地層の積層構造は、過去に海か、湖があった場所に土砂が流れ込んで堆積したものと考えられるが、火星に大量の水が長期間存在し、降雨による侵食が起こっていた事実を物語っているようである。

 地球以外の惑星にも堆積岩が存在する事実を確認しただけでも大変な発見だが、堆積岩が存在するのであれば、火星に水が流れていた河川や海が存在したのも間違いないわけで、高山の山腹にも地層が発見された以上は、火星の海は地球の海に匹敵するぐらいの深さがあったと考えられるようである。

 5500mもの高さがある高山に地層が発見され、しかも、褶曲作用による変形が見つかっていないのは、火星の海が非常に深い堆積物で覆われ、陸地になった後も降雨による侵食が長年に渡って起こっていたからだろう。

 地層が発見された以上は、地表に露出している堆積岩内に古代生物の化石が発見される可能性も考えられるわけだが、生命の発見以前に、地層が出来た原因は、火星の大気圏内で激しい降雨による侵食が起こっていた雨季と、降雨が乏しい乾季が周期的に起こっていた可能性を意味するように思う。

 火星に長期的な気候の大変動が起こっていなければ地層が出来るはずがなく、大昔の火星は地球のように大洪水が周期的に発生する環境が存在したのかもしれない。

 火星の大気中に洪水が起こるほどの降雨を降らせる雲が存在したのであれば、火星の大気圏の厚さは現在よりも遥かに厚く、地表と上空の温度差も大きかったに違いないし、海洋面積も広くて、大量の水蒸気が蒸発して雲を作っていたに違いないだろう。大昔の火星が地球に似ていたのは間違いないだろうと思う。

 現在の火星は枯れ果てているが、古代の火星は地球のように厚い大気圏を持ち、広大な海が存在し、大量の降雨がある環境だったのかもしれない。

 そういう環境がありながら、生命が存在しなかったのだろうか。それとも、生命を絶滅させるほどの激しい環境変化が起こって、希薄な大気しか持たない凍り付いた惑星になったのだろうか。火星の地層に含まれている堆積岩に謎を解く鍵がありそうに思える。



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