<仮想現実はどこまでコンピュータ化されているか>

仮想現実はどこまでコンピュータ化されているか


 人気作家が熱烈なファンから脅されたり、事件に巻き込まれる例は昔からあり、今も決して少なくないのだが、それと言うのは、仮想現実に没入している若者が増えているせいかもしれない。ストーカー行為に及ぶ事件の原因は何だろうか。

 ゲームは最初からコンピュータ上で作られていたものだったが、映画やテレビアニメもCGを多く使って作られるようになり、漫画も最近はコンピュータ上で作画されて、製作されているものが多いようである。

 小説などの出版物に至っては、ワープロが普及した頃からコンピュータ化が始まっており、文章はデータベース化されてカット&ペーストで貼り付けるだけで作品が作れるまでになり、文字もCGの一種であり、コンピュータ化が進んでいるのは間違いないようである。

 まだ人工知能で創作する段階にまでは至っていないようだが、作品の創作過程の多くがコンピュータで自動化され、作家がペンを走らせて書いていた時代に比べると、雲泥の開きがあるものになっているようだ。

 それと同時に、人気作家が過去の作品の使い回しをするようになり、昔読んだ小説の文節が所々に書き加えられているのがわかるようになって、読む気を無くしたことも少なくない。

 果たして、1人の作家だけで小説を書いているのかが怪しい世の中になっている、と言っても言い過ぎではないだろう。企画、脚本、演出が全くの別人で、小説は作家が出版社の指示通りに書いているだけというのも珍しくない。政治家の代わりに本を書くゴーストライターの話は有名であるし、企業が娯楽作品を作っているのだという視点で見ていないと印象操作に騙される危険がある。

 今の小説はCGのオンパレードで製作され、登場人物は全て特撮合成で演技し、音楽も効果音も電子楽器で作られ、本物の部分が1つもない娯楽映画と何ら代わりがないものだと考えて置いた方が良いだろう。漫画であれ、小説であれ、どこまでコンピュータが介在しているかはわかったものではないのである。

 漫画や小説に出て来る女の子などは、オブジェクトと呼ばれるCGで製作された人物と同じである。会話や文章も人工的に作られたものに過ぎないのである。1人の作家の才能によって生み出された人物だと信じ込むのは騙されている証拠だろう。

 娯楽小説の仮想現実が、設計から製作までコンピュータによる自動化が進んだハイテク技術製品とは全くの別物だと信じ込んでいるのが、コンピュータ社会の現実を知らない証明である。何ら代わるところが無いと言っても言い過ぎではないだろう。

 人気作家へのストーカー行為をおこなう熱烈なファンが、二重三重に出版社と作家から、印象操作によって騙されている道化に過ぎないのを疑ってみればわかるはずである。以前にも書いたものがあるので参考にしてもらいたい。

 →企業が作った作品世界の限界



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