<3Dテレビは普及するか>

3Dテレビは普及するか


 2010年から3Dテレビ放送が脚光を浴びているようだが、3Dテレビ放送は本当に実現するのだろうか。単なる一過性のブームで終わってしまうのではないだろうか。

 →立体テレビ放送
 →立体映画

 2010年の今年は民放各局はどこも赤字だと言われている。インターネットテレビの普及により、2015年でテレビ放送の時代は終了すると指摘する専門家がいる中で、起死回生を狙って3Dテレビ放送が注目を集めているようだ。しかし、3D映画や3Dテレビ放送の歴史は古く、度重なる挫折の歴史と呼んでも良いものである。

 白黒映画の頃から3D映画が作られた歴史が残っている。故アルフレッド・ヒッチコック監督の名作「ダイヤルMを回せ」などは3D映画として作られる予定だったと言われている。3Dのカラー映画が作られる傾向が近年になって増えているが、過去にも同じような3D映画ブームが何度なく、起こっては消えている。

 なぜ、3D映画は定着しなかったのだろうか。理由は、映画が下火になると蒸し返されるのが3D映画であるからに他ならない。3D映画は製作費が高く、眼鏡をかけなければ立体視出来ないという煩わしさが仇になって普及に失敗して来た。これは現在もほとんど変わらない問題だと言われている。

 3Dテレビ放送も同じであり、白黒テレビの頃から立体視が可能な放送が計画され、カラーテレビになってからも3D映像を放送しようという動きが何度か起こっており、現行のテレビ放送を使って3Dテレビ放送を実験的におこなったアニメも製作されているが、結局は定着しないまま終わっている。

 3D映画も3Dテレビ放送も客寄せの意味合いしかないものであり、ステレオ放送やデジタル放送のように長期に渡って定着した歴史を持つ技術ではなく、挫折を繰り返した技術と呼んでも良いものである。

 現在、宣伝されている3Dテレビ放送もまた、同じ失敗を繰り返す危険が少なくないように思われる。3Dテレビ放送が失敗する理由としては、テレビを中央から見ないと立体視が十分に得られないという位置的な問題から、テレビを見るたびに眼鏡をかけるのに煩わしさを感じる人が多いなど、日常性を無視した技術である点だろうと思う。

 また、3D映像を生かせるのはCGなどで作られた特撮シーンが多い非日常的な映像が主流なのに対して、テレビで見るのはニュースやドラマなどの日常的な番組が多く、3D映像化しやすい映画やアニメなどはむしろ少数派である。

 結局、ほとんどの番組は通常放送となって、映画やアニメなどだけが3D映像の形にならざるを得ず、技術を十分に生かせない問題が解決されていない。

 おそらく、3Dテレビ放送は実現したとしても一過性のブームで終わってしまって、定着する可能性は少ないだろうと考えられる。3D映画の失敗の歴史を見ても、3Dテレビ放送が成功する可能性は小さいだろう。

 3Dテレビ放送は視聴率不振や広告収入の落ち込みでインターネットに駆逐されつつあるテレビ放送の悪足掻きのように思えてならない。



                                   <NOBUAKI>