<国家予算の不正流用が招いた財政破綻>

国家予算の不正流用が招いた財政破綻


 誰もが不思議に思っていたと思う。なぜ、国家予算がこれほど窮乏し、国債の利払いが嵩み、財政再建をしなければならなくなったのか。国民への負担ばかり嵩んで、権力を握っている政治家や官僚、役人達の自覚が乏しいのか。防衛商社にまかせて国家予算の無駄遣いをしている自衛隊に限らず、どこもかしこも民営化の名の下に国家予算が民間企業に流れて、公務員は何もしていない状態ではないだろうか。

 丸投げと呼ばれているが、自分の会社では何もしないで、全ての仕事を他社に委ね、取次ぎ料金を法外に取る行為である。企業に限らず、官公庁でも丸投げを当然のようにやり、何もしないで民間任せ、給料と賄賂の両方を受け取るという行為をしているわけである。

 請け負った企業は談合によって自由競争をしない為、請求金額がそのまま企業収益になる。納入品の水増し請求も当然おこなわれる。国際競争に晒されて僅かな利益を獲得する為に苦戦している企業に比べると、この落差は何なのだろうか。

 これだけ企業へのバラ撒きをやれば国家予算が窮乏するのも無理もない話である。それを国債の乱発で補う。国債を買うのは誰だろうか。これも企業や投資家の人達である。こうして国家予算が赤字続きで行き詰ると、最後に出して来るのは、財政改革だが、これは今までの赤字の支払いを全て国民に押し付けて、自分達は何も責任を取ろうとしないで済まそうというものである。

 年金の使い込みをやった社会保険庁の官僚や職員の体質を批判する前に、医薬品メーカーを全面的に庇う厚生労働省の体質を批判する前に、食中毒事件に繋がる不正行為を続けた食品メーカーを庇い続けた農水省の体質を批判する前に、国全体がこういう状況に追い込まれている現状を把握して置く必要があるように思う。

 防衛商社「山田洋行」の不正事件の発覚によって、自衛隊や防衛省が批判されているが、その前から、機密情報の漏洩や米軍への燃料給油問題に限らず、まだ発覚していない不正が山積みになっているのが現状である。

 それはマスコミも例外ではない。今まで、これだけ多くの不正が国と企業との間でおこなわれていたことを最も良く知っていたのはマスコミである。それにも関わらず、今まで報道しようとしなかったのは、なぜだろうか。

 我々の税金によって賄われている国家予算が適切に使われることなく、不正行為の常習犯である企業に受注され、企業の不正は国によって黙認され、税金だけでは足りずに国債まで売りつけて財政赤字を増やし、無駄ばかりで効率が悪い国家体質を作り上げて、マスコミは事実を知りながら、報道を自粛して見て見ぬふりを続け、財政破綻が近づいたら、自分達には責任が無いのだから、後は国民全員でツケを支払ってくれである。

 財政破綻で潰れた江戸幕府、同じく敗戦と財政破綻で崩壊した大日本帝国の失敗から何も学ばないまま現在に至っているのは明白だろう。

 江戸幕府が潰れる前は内戦であった。大日本帝国は敗戦で崩壊した。これから起こるのは何だろうか。クーデターや内戦を招かずに穏便に改革が出来るのだろうか。疑わしい理想論よりも現実を見せて欲しい。

 今まで隠し続けていた事実の公開に踏み切ったのは良いが、社会的信用も地に堕ちた政府と企業の癒着体質は、今後どうなるのだろうか。

 防衛商社が築き上げた無駄無力無能の防衛力が何の役にも立たないことを国民の多くが知っている間はまだ良いが、これも今までに作られて来たマスメディアによる情報操作によって防衛力に対して過大な幻想を持たされている若い世代が多いのも事実だろうと思う。

 自衛隊が保有している現在の防衛力には何も期待しない方が良いだろう。全てが防衛官僚と防衛商社が不正な利益を得る為に国費を無駄遣いし、何の役にも立たないように作り上げられて来た「張子の虎」が自衛隊なのである。

 こういう癒着体質や不正慣行は簡単に無くなるものではない。何度でも蘇って来る問題である。今、必要なのは、国民が本当に必要とするものだけ残して、無駄なものは全て切り捨てることだろう。そうでなければ、無駄なものを残す為に、国民の生活が切り捨てられる結果になる。現在の社会状態は、まさしく、後者の例だろう。



                                   <NOBUAKI>