<メディアファシズムとは何か>

メディアファシズムとは何か


 マスコミのヤラセ体質に関しては多くの人が批判しているので知っている人が多いだろうが、ヤラセどころか、真実の隠蔽や事件の捏造などの情報操作が日常化しているのが現実でもある。権力に盲従するマスコミ体質は、冷戦崩壊後に武力革命で倒れたルーマニアのチャウセスク独裁体制の模倣で、メディアファシズムと呼ぶ人もいる。果たしてマスコミとは何なのだろうか。

 良く知られている事であるが、マスコミが街頭で取材している光景が放送される時に、一般市民を装ったサクラ(俳優)を使っているという話がある。サクラ(俳優)を使うようになった歴史は古く、テレビ放送が始まった頃からおこなわれている。理由としては、街頭で一般市民を取材した時に、マスコミが隠している真実を喋られては困るからであり、テレビ局の取材に応じて政治意見を素直に話した市民が後で弾圧された事件まで起こっている。

 テレビ局の取材を受けると、後で弾圧される事がある噂が広まった結果、取材に応じない市民が多数派になり、サクラ(俳優)を使うしか無くなったのが、マスコミ報道の実態である。

 こういう政府が決めた報道以外は許されない全体主義的な政治体質が戦後一貫して続いて来た結果、表向きは自由主義体制でも、実態は国家社会主義体制という意味で、ルーマニアのチャウセスク独裁体制と同じだという批判が国の内外でおこなわれて来たのが日本の実情で、経済成長が何十年も止まったままで、国の衰退が著しい現状を見ても、チャウセスク独裁体制のルーマニアに酷似しているわけで、それは今も変わっていない。

 ルーマニアのチャウセスク独裁体制は冷戦崩壊後に改革派による武力革命でテレビ局が制圧され、チャウセスク体制の真実が報道された結果、独裁者が逃げ出し、その後で逮捕、銃殺という結末に終わっている。日本のマスコミが戦後に情報操作で隠蔽、捏造、弾圧した事件に関して詳しい報道がおこなわれたら、ルーマニアと同じ結果になるだろうと言われている。ルーマニア革命が起こった後で、「次は日本が倒れる番だ。」と言われたのは有名な話である。

 私が過去に書いたイスラエル秘密捜査事件は、マスコミの隠蔽体質を露骨に証明するものだが、それ以上に悪質な事件が起こった例がある。今回は福岡の関門海峡で起こった核戦争寸前だった事件に関して書いてみよう。

 それは私が高校生だった頃で、世界史の授業を受けていた時であった。突然、門司から来たという、10人近い男女の高校生が現れて教室に入り、テレビ局が虚偽の報道をしていて、事件の真相を隠していると訴え始めた。いくつもの高校をまわって来たのだという。世界史の先生が驚いて事情を聞いてみると、次のような話をしていたのを覚えている。

 まず、テレビ局が報道していたニュースを先に書いて置こう。ニュースでは関門海峡で貨物船の船長が気が狂って暴言を吐く事件が起こったと短く報道していた。ところが、彼らの話では、事件は全く違うもので、貨物船ではなくソ連の潜水艦であり、ミサイルハッチを開けて、核ミサイルを発射しようとしているという話であった。すでにハッチは開いていて、内部にミサイルがあるのがわかるのだという。

 ロシア語の先生が翻訳した潜水艦の艦長の答弁をノートに書いて持って来ており、潜水艦の写真も何枚か持って来ていた。彼らの話を世界史の先生はかなり懐疑的に聞いていたが、同じ教室にいた門司から来ている女子学生に頼んで確認してもらうことにして、その場は一段落した。

 その後、同じ教室で、その女子学生の確認報告を聞いたのだが、船の喫水線が低いので潜水艦だとわかった他、ハッチが開いており、中は見えなかったが、外務省の役人が見張っていて近付けなかったという。潜水艦の種類に関してはわからなかったようだが、今から考えてみると、旧ソ連のゴルフ級潜水艦だったと思われる。

 →ゴルフ型潜水艦

 その潜水艦の艦長が話していた事は門司から来た学生達が読み上げていたので、今も覚えているが、戦慄を覚える内容だったと記憶している。

 潜水艦の艦長は、まず、当時のミグ25戦闘機亡命事件を挙げて、日本政府の対応の拙さを激しく非難し、その報復の為にソ連海軍強硬派がおこなった作戦であると宣言したようである。艦長は核ミサイルの性能に関して詳しい説明をおこなっていたようで、射程1000km、1メガトン水爆を搭載した当時最新鋭の中距離核ミサイルで、地球の自転による命中誤差を無くす為に、関門海峡から首都圏に向けて発射する事にしたという。

 →ベレンコ中尉亡命事件
 →R21潜水艦発射ミサイル

 関門海峡は水深が浅いので、潜水して発射するのには適していないが、浮上したままでもミサイルは発射出来るようで、その場合はミサイルハッチが噴射熱で壊れるが、発射は可能だと主張していたようである。

 艦長の話はかなり長いもので、関門海峡から首都圏まで直線距離で900kmあり、射程1000kmの中距離ミサイルを使えば、100kmの余裕があるので、命中させる標的位置を決められるとか、福岡と東京は緯度が同じなので、地球の自転に伴うコリオリ力が働かないので命中精度が上がるなど、数多くの軍事的理由を挙げて説明していたようである。

 当時、学生だった私は、遠くからノートを読み上げる学生達の声を聞いて、世界史のノートにメモを取っていたのだが、そのノートは何度か引っ越したので無くしてしまったが、当時の話は今も覚えている。艦長は潜水艦発射ミサイル(SLBM)に関して軍事機密に触れる内容まで詳しく話していたようで、燃料の注入量で飛距離が決まるので、風向き、風速、地球の自転などを考慮して精密計算しなければならないという話までしていた。

 艦長の話で印象的だったのは、「日本で核戦争を起こしても全面核戦争になる事は無い。」という一言である。米ソの間で秘密協定があるのを意味するものだったが、高校から帰宅する途中のバスの中で、明日は日本があるだろうかと不安だったのを覚えている。

 この事件は、日本とソ連との間で外交的な解決が図られたようで、数日後にソ連潜水艦はミサイルを発射せずに帰郷したようである。事件の後で、亡命機の受け入れはおこなわれなくなり、燃料が尽きた亡命機が海に墜落して、隣国の漁船がパイロットを救助していたという話を聞いた事がある。世界史の先生が、「ソ連で何か起こっているのではないか。」と話していたが、それが冷戦崩壊に繋がる改革だとは当時は知らなかった。

 わかっているのは、日本の存亡に関わる重大事件でもマスコミが揉み消し、隠蔽し、報道しない体質がある事だろう。なぜ、北朝鮮が核兵器開発をおこなって成功した時に、日本や米国の政治家が異常なほど反対するのかわからない人がいるかもしれないが、潜水艦の艦長が話していた事が真実であれば、日本での限定核戦争が米ロの間で是認されているのだと考えれば、実態が掴めるのではないかと思う。

 日本は核戦略の空白地帯に位置しているわけだが、これもマスコミは隠しているわけである。メディアファシズム体制の中で、我々国民は国際的に重要な事実を何も知らされていないのである。

 <追記1>

 ソ連潜水艦からミサイルは発射されなかったと書いたが、正確には核弾頭搭載ミサイルが発射されなかっただけである。当時、ソ連潜水艦の艦長と日本政府との外交交渉が成立するのに時間がかかり過ぎて、すでにミサイルへの燃料充填が終わっていた為に、核弾頭を外す必要が生じたのだが、日本側が放射線防護服の提供が出来なかった為に潜水艦の乗員が核弾頭を外す際に被曝する結果を生み、日本側の不備にソ連潜水艦の艦長がひどく怒っていたと聞いている。

 ミサイルに充填された燃料を抜く作業が技術的に出来ない為だったが、その後、核弾頭を外したミサイルは外洋上で発射され、すぐに墜落して海に落下したそうである。

 <追記2>

 この事件がこれで終わったわけではない事を追記して置こう。イスラエル秘密捜査事件がマスコミによって揉み消された後で、松本サリン事件や地下鉄サリン事件などの一連のオウム事件が起こっているのを思い出していただきたい。一度揉み消した事件はマスコミが報道しないので、宗教団体による洗脳事件や殺害事件という、酷似した事件をオウム真理教が起こした時にマスコミが報道出来ずに最悪の結果を招いているのである。

 同じ事は潜水艦からの核ミサイル脅迫事件でも起こる可能性が高い。全く同じ方法で、潜水艦から核ミサイルを発射寸前の状況にして政府を脅す国が現れた時に、一度揉み消した事件はマスコミが報道出来ないので、何も報道しないまま黙視するしかなくなり、核ミサイルを発射されて首都圏が吹き飛ばされる危険が大きいのである。こういう案山子(カカシ)体質が蔓延しているマスコミであるのを忘れてはならない。



                                   <NOBUAKI>