<ドローン事件を考える>

ドローン事件を考える


 ドローンという呼称が有名になったマルチコプターによる事件が多発しているが、子供のオモチャとして使われたり、小型のデジカメやビデオカメラを搭載して空中撮影をおこなったり、小荷物の近距離輸送を目的に開発された電動ヘリコプターの総称である。

 →マルチコプター(民生用)
 →無人航空機(軍用)

 マルチコプターを国が認可したニュースを見た時に、テロへ応用される危険があるのを誰もが危惧しただろうと思う。実際、マルチコプターの落下事故やテロに繋がる事件が多発している。

 大型のマルチコプターならば、数百グラムの爆弾を積んで空中で自爆させたり、致死量の毒薬物を空中散布して、少人数の殺傷事件を起こすのは容易に考えられるだけに、今後、この種のテロや犯罪が多発する懸念は拭えない。

 半径1km前後の遠隔制御が可能なマルチコプターは、空中から目標を撮影しながら、ピンポイントで攻撃出来るロボット兵器と考える事も出来る。破壊力は小さいが、すでに米国大統領官邸や日本の総理官邸への嫌がらせがおこなわれており、爆発物や毒薬物を使ったテロが起こらない保障は無い。

 ニューヨーク同時多発テロ事件当時に起こった炭疽菌事件のようにマルチコプターに炭疽菌などの細菌兵器を詰めた容器を取り付けて、空中散布をおこなうテロが起こる可能性は十分にあり得るだろう。

 →アメリカ炭疽菌事件

 もちろん、マルチコプターを使用禁止にすれば解決する問題ではない。無人航空機を使用した近距離空中輸送は、小型軽量の小包輸送の利便性を大幅に拡大する技術だけに、国も認可せざるを得なかったのだろう。

 落下しても壊れにくい葉書き、手紙、書籍などの小荷物輸送に適しているだけではなく、究極的には舗装道路を必要としない都市開発の可能性も示唆している。未来を大きく変える技術であるわけである。

 家庭に密着したロボット技術という点でも、将来性が大きく、今後の家庭へのロボット普及に大きく影響する可能性も考えられる。マルチコプターは屋内で段差や階段などの高度差がある場所への移動がおこなえる技術であるだけに、家庭用ロボットの原型になる可能性があり得るからである。

 テロに利用される技術という視点ではなく、テロが起こらない社会を実現しなければ、どのようなロボット技術もテロに利用されるだろうと思う。ドローン事件は人間とテロという社会問題を問いかけているように思う。



                                   <NOBUAKI>