<メガクエイクⅢ「蘇る関東大震災」を見て>

メガクエイクⅢ「蘇る関東大震災」を見て


 1923年に発生し、10万人の死者を出したとされる関東大震災を検証するドキュメンタリー番組である。

 →関東大震災

 日本の地震学の創始者である今村明恒博士の話から始まるが、関東大震災の予測に成功していたものの、マスコミの扇動に利用されて信用を失墜するなど、現在にも通用する政治問題が当時から続いているのがわかる。

 90年前の古い地震観測技術でも、かなり正確な震源の特定が出来ているなど、地震学が始まったばかりだった当時でさえ、正確な地震予測が可能だったのは興味深い。

 →今村明恒

 それに比べると、現在の地震学はどうだろうか。「地震の予測は出来ない。」の一点張りで、阪神大震災、新潟県中越地震、東日本大震災など、多くの被災者を出した巨大地震の予測に悉く失敗し、世論の批判を浴びる形になっているのは、勇気を出して地震予測を公開して警鐘を鳴らした今村博士の姿勢とは全く逆行するものである。

 国家存亡の危機だった福島第一原発事故が起こるまで、原発建屋の真下に活断層がある事実さえ、認める勇気を持たなかった地震学の姿勢には、多くの批判があるのも事実である。

 このドキュメンタリーは、地震学の政治的な側面には一切触れていないが、地震学が政治的圧力の前に真実が言えない科学に終わっているのは、過去の大震災の教訓からも明らかだろう。同時に言えるのは、マスコミも同じであり、正確な地震予測を報道出来ない政治体質を抱えているのは否定しようがない。

 真実を隠蔽して、破滅的な被害と多くの犠牲者を出しながら、なおも隠蔽を続けようとする政府の姿勢が国家存亡の危機を招いたと言っても過言ではない。福島第一原発事故が現在も収束しておらず、放射能汚染物質の垂れ流しが続いたままになっているのは、隠蔽体質を抱えた政府とマスコミの責任が大きいだろう。

 地震学の原点を問うドキュメンタリーならば、関東大震災に置ける政府とマスコミの責任を追及しても良かったのではなかっただろうか。



                                   <NOBUAKI>