<遠隔操作によるテロ予告犯罪>

遠隔操作によるテロ予告犯罪


 海外サイトを経由して発信源の特定を難しくし、遠隔操作ウイルスに感染した容疑者のパソコンから大阪市のホームページ(HP)に無差別殺人予告を書き込む事件が起こったようだ。







 →遠隔操作ウイルス、日本人作成か 掲示板介し暗号で指示
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 →殺人予告:遠隔操作の可能性 捜査員「ウイルス検出困難」
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 →威力業務妨害:大阪市のHPに無差別殺人予告 容疑の男聴取
 →無差別殺人予告:演出家の男逮捕 容疑否認−−大阪

 外部からパソコンを乗っ取って遠隔操作する犯罪は珍しいものではないが、パソコン画面を盗撮したり、パソコン内部にある情報を盗んだり、特定サイトへアクセスを集中させるサイバーアタックに利用するなどがほとんどで、パソコンそのものを遠隔操作して犯罪に利用した例は少なかったようだが、テロ予告という愉快犯による遠隔操作犯罪という形で起こった事件のようである。

 パソコンの遠隔操作が出来るフリーソフトは無料で配布されている。一般には、スマートフォンで外部から自宅にあるパソコンを遠隔操作して使用する目的のもので、メールの送信などにも利用されているが、第三者によるテロ予告犯罪に悪用されたのは、今度が初めてのようである。

 使われたのは、パソコン画面の片隅で時計やカレンダーを表示するソフトだが、遠隔操作が出来るように改造されており、アプリケーションソフトをインストールすると、外部から海外サイトを経由してパソコンを遠隔操作し、容疑者のIPアドレスを使用したテロ予告メールを送っていたようだ。

 おそらく、事件の容疑者とされた人物の口座からパソコンを遠隔操作して預金を奪うのが目的だったのだろうと思うが、うまく行かなかったのでテロ予告に利用したのだろう。

 遠隔操作が出来れば、パソコンで出来る事は全て可能なので、預金口座からの金銭の強奪、プライバシー情報の公開、テロ予告・名誉毀損など、インターネットで出来る犯罪は全て可能という側面があり、問題点が多い。

 遠隔操作が犯罪に使われる可能性は以前から知られているが、テロ予告に使用されるという社会問題にまで発展してから大きく取り上げる、マスコミの時代錯誤な報道姿勢にも問題があるように思う。

 <追記>

 遠隔操作ウイルスはトロイの木馬の形でインストールされ、特定の掲示板に書き込まれた命令を受け取って実行され、実行結果を同じ掲示板に書き込んで返すという、遠隔制御プログラムに詳しい人物によって作られたウイルスであるようだ。五カ国のサーバーを経由したり、米海軍の匿名化技術を使っているなど、高度な知識を持つ人物であるのは間違いないらしい。

 この種の方法は何年も前から知られていて、それほど珍しいものではないが、テロ予告犯罪に使用されたのは初めてではないかと思う。掲示板の内容を自動的にダウンロードしたり、アップロードするプログラムに習熟した人物であれば作れるもので、言わば、掲示板の文章が遠隔操作されるパソコンへの命令文(ステートメント)になっているわけである。

 掲示板の文章がパソコンの遠隔操作命令になっているという話は面白いが、サイバーアタックも防げない官公庁が多い中で、果たして犯人の実態を掴めるのだろうか。



                                   <NOBUAKI>