<NHK特集「追跡・復興予算・19兆円」>

NHK特集「追跡・復興予算・19兆円」


 東日本大震災復興予算の実態を描いたドキュメンタリーである。復興予算を巡って省庁や市町村が丼勘定の予算配分に群がった杜撰な実態を追求している。

 東日本大震災の復興予算が十分に被災地に投資されておらず、無駄な使い方がされていて、復興予算ではなく、景気対策として使われているのではないかという批判は、以前からあっただけに、新鮮味が無い内容である。

 瓦礫処理に関しても、分別せずに処理した自治体と分別して処理した自治体で7倍もの差があると批判しているが、放射能汚染で分別出来なかった瓦礫をどう処理したかに関しては一言も触れないなど、官僚主導の情報操作を念頭に番組が作られている印象を受ける内容である。

 悪徳業者、不正流用、目的不明の予算投資など、復興予算では必ず起こる問題が起こっているようだが、災害時のチェック体制が時間不足で十分に対応出来なかったのは否定出来ないだろうと思う。

 復興予算が省庁の摘み食いで効果が無いものになっているのが真実だとしたら、その後に起こるのは何だろうか。チェルノブイリ原発事故後にウクライナが独立に踏み切ったような事件が起こりかねないのを意味するのだろうか。

 東日本大震災の復興予算が十分には被災地に届かずに終わったとしたら、今でも強い被災地の政治不信が頂点に達するのは間違いないだろう。

 東日本大震災は1年前に正確な予測が出来た地震である。阪神大震災、スマトラ沖地震と同様に、2年連続で同じ日付に起こる犠牲者が多い巨大地震であるのは、その法則性からも明らかであった。

 ところが、政府もマスコミも事実を認めようとせず、何の対策も取ろうとせず、予測出来る地震であるのを隠蔽し、2011年3月11日の破局を迎えたわけである。隠蔽された事実を認めないドキュメンタリー番組は東日本大震災の真実を明らかにする上では、何の意味も持たないものだと思う。

 少なくとも、2011年3月11日に巨大地震が起こるのは、2010年3月11日にチリ地震の最大余震(M6.9)が起こっていた事実や巨大地震周期の対称性、2年連続する法則性などからも明らかだったと言って良い。地震が起こる場所が特定出来なかっただけなのである。

 東日本大震災はM7の前兆地震も起こっていたし、地震発生から津波が押し寄せるまでの時間も残っていたが、津波の高さが過小評価された報道がおこなわれ、多くの犠牲者を出す結果になった。情報伝達の不備で犠牲者を増やす結果になったのはスマトラ沖地震と変わるところがない。

 災害は終わったわけではない。東日本大震災は、まだM8を超える最大余震が発生していないからである。最大余震が終わるまでは地震被害が繰り返される危険が残る。被災地の復興を巡っては、政治家の判断が求められる事態だろう。



                                   <NOBUAKI>