<NHK特集「メルトダウン連鎖の真相」を見て>

NHK特集「メルトダウン連鎖の真相」を見て


 福島第一原発1~3号機のメルトダウンが起こった原因を追求するドキュメンタリーだが、言葉のすり替えや言葉に出さずに視聴者に悟らせようとする演出が多くて、わかりにくい番組である。

 福島第一原発事故の顛末に関しては、すでにインターネットでも情報公開が進んでいるので、詳細な真実がわかっているが、この番組は当時放送されていた事実を言おうとせずに、言葉を摩り替えて説明を加えたり、説明を加えずに悟らせようとする演出が多くて、情報操作ではないかと疑われる内容である。詳しくは福島第一原発事故に関して公開されている以下のレポートを読んで欲しい。

 →福島第1原発事故の初期経過
 →福島第一原発事故とその影響





 番組では1~3号機で窒素を注入して開く構造になっているSR弁が格納容器内の圧力増加で作動せず、メルトダウンで溶け落ちた炉心の崩壊熱で発生した水蒸気が外界に放出出来ないまま、格納容器内の圧力が上がり続け、格納容器が破裂し、高濃度放射性物質が水蒸気と共に外界に放出される結果になったのは2号機だけで、1号機と3号機は水素爆発だったと説明しているが、当時の福島第一原発事故の爆発映像を見ると、どれも爆発時に大量の水蒸気が放出されていて納得がいかない。

 SR弁を作動させる為の補助電源などの大量の支援物資がありながら、原発まで運ぶ仕組みが無かったという詭弁を呈しているが、要するに、高濃度放射能汚染を恐れて事故を起こした原発まで支援物資を運ぶ勇気がある者がいなかったのが真実である。事実上、危機管理マニュアルが白紙に近い状態だったわけで、危機管理の杜撰さが原因の事故だったのは否めない。

 NHKのドキュメンタリー番組は政府や東京電力が内容に干渉しているのだろうか。重要な問題になると、説明無しに海外の原発労働者へのインタビュー映像でごまかそうとしたり、曖昧な表現に留めたり、必要な説明を加えなかったりなど、事故の真相を隠そうとする隠蔽体質が垣間見える。

 ロサンゼルス地震と阪神大震災、イラン地震とスマトラ沖地震が同じ日付だったように、東日本大震災が1年前のチリ地震の最大余震(M6.9)と同じ日付になると予測出来る巨大地震だった事実に関しても何も触れようとしていない。予測可能な巨大地震であるのを隠して招いた原発事故だったのは客観的な事実からも明らかであるし、地球規模の物理現象が原因で起こったのも間違いないだろう。

 事故原因を予測不可能な津波、原発の安全装置(SR弁)の欠陥、杜撰な危機管理が原因の人災で片付けようとしているようだが、このまま物理現象を隠し続ければ、次の連鎖地震が起こる2020年には、さらに深刻な事態が待っているのは間違いないだろうと思う。



                                   <NOBUAKI>