<火星の海は地下に存在するか?>

火星の海は地下に存在するか?


 火星に海や湖があった証拠が火星探査機からの報告で次々と明らかになっているようだ。現在は、火星の海は地上にはなく、液体の水が存在出来る地下120メートルよりも深い場所にあるらしい。

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 →火星の地表近くに液体の水が存在?
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 →火星

 火星の海に関しては諸説が入り乱れている。最新の学説では地球の海の10分の1にも達する容積の海水が深さ5500mに渡って海を形成していたという信じ難いものまである。これが真実ならば、火星の海は海洋面積が狭かったのを除けば、地球と変わらない深さだったことになり、これほど深く広大な海が存在していたのに生命が発生しなかったというのは考えにくい結論になるだろう。

 現在では火星の海は地下に存在すると考えられている。火星の大気圏は地表に海が存在していた頃から薄いものだったようである。

 火星表面にある河川地形は、地球のような支流が多い河川地形とは異なり、支流がほとんどなく、本流だけなので、長年に渡って雨が大量に降っていたのではない砂漠地帯の河川だったようだが、地下に水が潜り込んでいて、それが湧き出して河川地形を作り出していると考えると説明出来るものが多いらしい。

 火星の海が地下に存在し、地殻変動で地表に湧き出して河川を形成したと考えられているのは、地球の河川が起伏の変化がある地形の影響で上昇気流により、降雨が発生して形成されるのに対して、火星では27000mに達するオリンポス火山などの高山地帯があるにも関わらず、起伏の変化と河川の存在が符合しないからだろう。

 火星には地球のような海嶺や海溝は発見されていないし、マントル対流によるプレートテクトニクスも見つかっていないが、地球と同様に磁極の反転による磁場のバンド構造が地殻で発見されており、過去にプレートテクトニクスが存在した可能性が考えられているようだ。

 そうだとすると、火星の初期には地球のように火山活動と地殻変動があり、濃い大気が存在し、海があった可能性が考えられ、その後、火星内部が冷えてマントル対流が停止し、火山活動が途絶え、海が地下に染み込んで凍結したと考えられる。

 しかし、プレート運動があったのならば、褶曲山脈が存在しても良いはずだが、1つも見つかっていない。マリネリス峡谷のような広大な谷が存在するのに、褶曲山脈が存在しないのは、地球と違って火星ではプレートが1枚しかないからかもしれない。

 火星に海があったのは間違いないようだが、地下に大量の海水が眠っているのだとすれば、それをポンプで汲み上げて利用するのは可能なようだ。時間がかかるだろうが、海水を地表に戻して海を作れば、テラフォーミングのような惑星改造も可能かもしれない。

 <追記>

 水星、金星、地球、火星のどれもが火山活動で地下から水が湧き出して海を形成したという理論が正しいのであれば、500℃、100気圧の大気圏に覆われた金星の地下にも高温の熱水が大量に存在する可能性があることになるが、金星が自転していた遠い過去に海が存在した時代があったのだろうか。

 金星の大陸には氷河地形に類似したものがあるらしいが、海が存在したのであれば、海嶺や海溝もあったはずだが、現在の金星には痕跡すら残っていない。

 もし、海が存在した過去が金星にあるのであれば、地球と同様に、金星の地下にも岩石に含まれている熱水の中に生命が生き続けている可能性が残る。地下に生命が存在するのであれば、大気中にも高温と乾燥に耐える生命がいても不思議ではないはずで、金星大気中に地球には存在しない微生物が発見される可能性があるのかもしれない。



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