<時間は逆戻りするか(3)>

時間は逆戻りするか(3)


 SFや漫画では時間旅行と言えば、一瞬の内に過去に転送されて、過去の世界で物語が展開するお話が多いが、現実の時間旅行はSFや漫画とは違うようである。現実に起こり得るタイムトラベルやタイムパラドックスとは、どのようなものなのだろうか。

 一人の人間を過去に転送しようとしても、球状星団か、小さな銀河に匹敵する莫大なエネルギーが必要になってしまい、実現は不可能である。また、理論的に解決が難しい矛盾も生じる。SFや漫画では理論的な矛盾を無視して話を進めているが、現実問題として考えると、SFや漫画のように一瞬の内に過去に戻るという時間旅行は考えにくい。

 ところが、これを全く逆に考えて、自分が存在する世界全体の時間を過去に戻して行くのであれば、時間旅行で問題になる理論的矛盾が生じなくなる。

 もっとも、この場合は過去に戻ると言っても、過去の歴史的事件と酷似した事件を再び繰り返しながら、未来に向かって進んでいるように見えるという点で従来の時間旅行とは全く異なるのだが、普通の生活を続けながら、過去と類似した時代へ戻って行ける方法である。

 時間の逆行が始まっても、しばらくの間は何も変わっているように感じられない。通常の生活が続いて、過去から未来へ時間が流れているように感じられるが、実際には時間は未来から過去に流れていて、それが理解出来ないだけである。

 時間の逆行が始まると不思議な事件が続発する。まず、過去に起こった事件と酷似した事件が再び繰り返されるようになる。それも、時系列で過去に戻って行くように自然現象や社会現象を含めて事件が繰り返されて行く。

 過去に起こった事件を二度繰り返さない為に対策を取ろうとすると大変な困難を強いられて失敗する。タイムパラドックスと呼ばれている現象である。

 最近の10年間を振り返って見ると、時間の逆行が起こっているのではないかと思えるほど、過去と酷似した事件の繰り返しを見る事が出来る。世界金融危機、木星への小惑星衝突、民主連立政権、東日本大震災、福島第一原発事故、TPP、ユーロ危機、オウム事件容疑者の逮捕劇など、1991~1997年頃に起こっていたバブル崩壊、米自由化問題、木星への彗星衝突、阪神大震災、自社連立政権、地下鉄サリン事件、アジア通貨危機などの事件を時間を逆向きにして再現しているような事件の続発が続くのは、時間の逆行が原因かもしれない。

 時間の逆行が真実であれば、ユーロ危機が深刻化しているのは1992年のバブル崩壊と酷似しているし、すでに始まっているEU内での政変劇を見ても、これからEUとロシアで政変が起こり、緊迫するシリア情勢やイラン情勢に端を発した湾岸戦争が繰り返されるのだとしても不思議ではないだろう。

 もちろん、時間が逆行すると言っても、ビデオを逆回しにするような現象が起こるわけではないし、完全に同じ事件が繰り返されるわけでもないが、1995年の阪神大震災前後に起こった事件と2011年の東日本大震災前後の事件は、酷似している点が多いのに驚かされる。日本のGDPが過去の水準に近づいているのを見ても、それは同じである。時間の逆行は自然現象でも社会現象でも、未来の選択肢が極端に狭まっている状態と考えて良いのかもしれない。

 時間が過去に戻って行く状況にあると、過去の事件は現在の事件との因果関係が逆になっているように見えるはずである。実際、犠牲者が多い巨大地震の日付と過去の戦争や大規模テロの日付が一致するのは、時間の逆行が続いている為かもしれない。地下鉄サリン事件、イラク戦争、リビア戦争などの一連の大事件が8年周期で全て同じ日付に揃っているのは、米国が意図して起こしているのかもしれないが、偶然とは考えにくい。

 タイムパラドックスが現実に起こっているのであれば、政治や経済が行き詰っている理由も頷ける。我々もタイムパラドックスによって、無意識のうちに過去と類似した行為を繰り返しているのかもしれない。

 →時間は逆戻りするか
 →時間は逆戻りするか(2)



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