<福島第一原発事故の汚染域はチェルノブイリの8分の1>

福島第一原発事故の汚染域はチェルノブイリの8分の1


 福島第一原発事故とチェルノブイリ原発事故との放射能汚染地域に対する規模の比較がおこなわれた結果、チェルノブイリ原発事故の8分の1の汚染規模と判断されるようだが、砂漠地域で放射能の特定が容易なチェルノブイリ原発事故と、四方を海で囲まれ、放射性物質のほとんどが海に降り注ぎ、降水量が多い日本では、雨で流失した放射性物質の量が無視出来ない福島第一原発事故を単純には比較出来ないだろう。



 →汚染到達、チェルノブイリの8分の1 福島第一原発事故
 →福島原発事故:放射性物質蓄積範囲をチェルノブイリと比較

 福島第一原発事故から1年も後になっての比較だが、セシウム137の土壌への蓄積分布は旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(1986年)と比較して、福島第一原発事故(2011年)では影響範囲が8分の1程度だという。

 チェルノブイリ原発事故が1平方メートル当たり1480キロベクレル以上の高濃度地域が、原発から半径30キロ圏内と、北北東160~250キロ圏内に分布するのに対して、福島第一原発事故では北西32.5キロの浪江町とほぼ同等になる。

 また、1平方メートル当たり40キロベクレルの低濃度地域は、チェルノブイリ原発事故では1700キロのノルウェーまで達するのに対して、福島第一原発事故では30キロベクレルの地域が、千葉県柏市など250キロ圏内になる。

 →福島第一原発事故による放射性物質の拡散
 →福島第一原子力発電所事故
 →福島第一原子力発電所事故の経緯
 →チェルノブイリ原子力発電所事故

 放射能汚染範囲が8分の1だから安心だというわけではない。チェルノブイリ原発は黒鉛減速型チャンネル炉というタイプで、小さな原子炉が数百本も集積した超原子炉であり、事故後は減速材の黒鉛が火災を起こして燃えたので放射性物質が広範囲に拡散する結果になっているが、福島第一原発は火災が起こらなかった状況で、4基の原発が事故を起こし、チェルノブイリ原発事故の8分の1の放射能汚染規模に達したわけだから、事故の被害は大きかったと判断すべきだろう。

 福島第一原発事故は海洋放射能汚染が甚大であり、海上に降り注いだ放射性物質と海に流失した放射能汚染水を含めて考えると、チェルノブイリ原発事故よりも深刻な事故だったのではないだろうか。海洋放射能汚染の規模が比較されていないのは片手落ちであるように思う。

 放射能汚染域がチェルノブイリ原発事故の8分の1であっても、旧ソ連に比べて国土面積が小さな日本では影響の大きさは甚大である。今後、半径250kmに達する放射能汚染域が経済面で大きな影を落とすのは間違いないだろう。



                                   <NOBUAKI>