<ジャイアントインパクト説への疑問>

ジャイアントインパクト説への疑問


 原始地球に火星ほどの大きさの惑星が衝突して破片が飛び散り、月が生成したというジャイアントインパクト説が提唱されているが、疑問に思う点が少なくない。

 →ジャイアント・インパクト説

 ジャイアントインパクト説の証拠として挙げられている天体には天王星と冥王星があるが、どちらも大型衛星が存在するものの、惑星の自転軸が倒れているという共通点もある。地球-月系がジャイアントインパクト説で生じたのであれば、地球の自転軸も倒れているはずではないだろうか。

 ジャイアントインパクト説で説明されるような大衝突が起こる場合に惑星の自転軸が横倒しになるのは、天体が中緯度から高緯度に衝突する確率が大きいからだが、地球の自転軸がジャイアントインパクトが起こらなかったと考えられている火星・土星・海王星と変わらないぐらいしか傾いていない事実にジャイアントインパクト説は言及していない。

 →太陽系の惑星の赤道傾斜角

 地球に月のような巨大衛星が公転している理由として連星説があるが、原始地球は三重連星だった場合を考えると説明しやすいように思う。

 三重連星はケンタウルス座アルファ星の例が有名だが、主星A,Bの近接連星の周囲を伴星Cが公転しているものである。原始地球がほぼ同じ大きさの近接連星で、その周囲を月が円軌道を描いて公転していたと考えれば、月が巨大であるのは伴星だからだと説明出来る。

 近接連星だった原始地球が徐々に接近して公転周期が短くなり、最後は衝突して1つの惑星になったとすれば、自転周期が短くなった原因も説明出来る。地球の自転周期が短くなれば、月の公転周期と一致しなくなり、地球と月の間の潮汐力によって月が遠ざかって行くのも説明出来るわけである。地球の自転軸が23.4度しか傾いていないのも、2つの原始地球の公転軌道面が23.4度傾いていたのが原因だと考えれば説明可能である。

 地球に火星ほどの天体が衝突して月が出来たのだとすれば、地球自転軸の傾斜角が小さい理由が説明出来ず、月に大量の氷が存在する事実も説明出来なくなる。ジャイアントインパクト説に固執する限り、地球型惑星の周囲に巨大な月が出来る例の多くで惑星の自転軸が倒れる結果となり、地球-月系は天文学的な確率でしか起こり得ない結論になる。

 月が近接連星だった原始地球の伴星だと考えれば、大きさの問題は解決出来る。近接連星だった原始地球が衝突して現在の地球が出来たのであれば、地球の自転周期が短い理由も説明出来る。

 単独の惑星として生成する場合には小さな衛星しか出来ず、連星型惑星として生成する場合には周囲に巨大衛星が出来るのだとすれば、三重連星が存在する確率で地球-月系が出来るわけで、かなり大きな確率になり、惑星の自転軸が倒れていない例も多くなるわけで、地球と類似した環境の惑星が存在する確率も大きくなるだろう。



                                   <NOBUAKI>