<サブリミナルと殺人事件>

サブリミナルと殺人事件


 異常性欲を刺激するサブリミナルを使ったアニメ番組は白黒テレビが主流を占め、米国製テレビ番組の吹き替えが多かった時代から存在していた。当時から問題視されていたようだが、ユーモアとサブリミナルとの線引きが曖昧で、今では、日本製アニメにも類似番組がある。

 当時は子供向けにも大人向けにも作られたアニメが多かった時代のせいか、米国アニメの中でも成人指定作品がテレビアニメとして放送されていた時代である。

 どういうアニメ番組かと言えば、自殺方法をテーマにしたユーモアアニメで、確かにギャグが面白かったアニメだが、自殺方法を子供に覚えさせる為に放送しているのではないかと疑われる内容だった番組がある。

 異常性欲をテーマにしたものでは、ブタを擬人化したキャラクタを使ったアニメがある。内容は他愛もないものだが、次のようなものである。

 ブタの奥さんがお尻を振って踊りながらフライパンで料理を作ろうとしている。ところが、料理するブタ肉がない。そこで、自分で自分を料理してしまうという、ナンセンスギャグである。

 本来だったら、ギャグがたくさん加えられて面白可笑しく作られるはずの話だが、このアニメは何の捻りもなく、ブタの奥さんはエプロン1枚の裸であり、そのままフライパンに乗って丸焼きになり、最後は包丁が勝手に動き始めて奥さんの首が飛び、死体が皿の上に盛られ、アニメのはずがリアルな絵に変貌するという、恐怖映画紛いの演出がおこなわれていて、テレビを見ていた女性が怖がって問題視されたアニメである。

 この米国製アニメは、その後、放送されなくなったが、大人から見れば冗談でしかなくても、子供に与える影響は計り知れないものであるのは、異常性欲を煽っている点に集約されるだろう。

 日本の人気アニメ番組にも、この種のアニメを模倣したものがあって、それが放送されてから、しばらく後に起こったのが、当時のニュースを賑わせる大事件となった東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件である。この事件が昔の米国製アニメの内容をそっくりそのまま模倣した事件であったのを知って驚いた記憶がある。

 本来は夫婦や親子の愛情であるものを、異常性欲に摩り替えようとサブリミナルを使うアニメ番組の体質は批判されて当然だろうが、ユーモアとサブリミナルの線引きが曖昧なのを利用して、こういう結末になったのはテレビの功罪と呼ぶべきだろう。

 →東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件

 テレビ番組ではアニメやCMなどに多いが、さまざまな部分で情報を制限し、サブリミナルを浸透させようとする手法が使われて来た歴史があるのは知って置く必要がある。我々はサブリミナルの洪水の中で生きているのである。



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