<NHK特集「メガクエイク(巨大地震)」を見て>

NHK特集「メガクエイク(巨大地震)」を見て


 内容が堅くて眠くなるのを過剰なほどのCG表現による演出で紛らわせてくれる番組だが、今までにわかっていた巨大地震の知識に最新の調査データを肉付けしたという内容である。東海・中南海地震の発生原因や被害程度、米国シアトル周辺で起こると予測されているM9規模の超巨大地震についても解説している。

 米国で起こると予測されているM9規模の超巨大地震や東海・中南海地震について、わかりやすいCGアニメーションによる解説は視聴者受けするものだが、これらの巨大地震に関して今まで何もわかっていなかったという弁解は官僚の責任逃れのように聞こえる。

 もちろん、詳細な事実に関しては何もわかっていなかったと言っても良いだろうが、これらの超巨大地震が必ず起こるものだというのは、スマトラ大津波も含めて数十年前から予測されていたもので、それほど目新しいものではない。

 ところで、文明を滅ぼすのは巨大地震であるのを最初に提示したのが印象的な番組である。実際、この番組のように米国超巨大地震や東海・中南海地震が実際に起こったら、米国や日本が地震で壊滅したインフラを再建して経済回復を達成するには十年以上の時間を必要とし、その間に中国などのアジア新興諸国に決定的な差を付けられるのは間違いないのだろう。

 衰退が始まった国に超巨大地震が止めを差すように見えるが、300年という周期は必ずしも文明の頂点と一致してはいない。地震は自然現象で起こっているのであり、むしろ、文明の方が地震の周期に合わせて隆盛を繰り返しているように思える。

 巨大地震発生前に起こる低周波微動や巨大地震発生と同時に起こる長周期振動なども具体的に解説されており、これらが地震予測や地震被害に大きく影響しているのがわかる内容である。

 もっとも、巨大地震に関して、どんなに詳細に理解する事が出来ても、地震そのものを止める方法が無い以上、被害は覚悟して置かなければならない。米国で超巨大地震が起これば、高層ビル倒壊と大火災、津波による被害を含めて、世界経済に与える影響は大きなものになるだろう。それは東海・中南海地震でも同じである。

 特に日本の場合は、四大都市が壊滅し、主要経済圏が事実上消滅したのも同じ状態に陥る懸念もあり、我々の生活は地震の前後で雲泥の差が生じるほど大きな挫折を味わうかもしれない。

 現在、成熟期にある情報社会も津波による都市の水没でインターネットが使えなくなり、大きな打撃を受ける可能性もある。

 米国と日本で起こると予測されている超巨大地震だけが脅威なのではなく、それが起こるまでにM7級の巨大地震が何回発生するかわからないという現実もある。

 この番組では、過去に起こった被害が甚大な巨大地震の日付が同期する現象が、最近続いている点に触れていないが、過去に起こった地震災害では一つも起こっていない現象が続いているのは、何か原因があるはずだと思うのである。

 それに言及せずに巨大地震への警戒を訴えても片手落ちではないだろうか。



                                   <NOBUAKI>