<逆行惑星の発見が意味するもの>

逆行惑星の発見が意味するもの


 惑星でも衛星でも他の惑星や衛星とは逆向きの軌道を公転している天体は、もともとあった天体ではなく、他所からやって来て捕獲された天体と考えられている。海王星の衛星トリトンが逆行衛星として有名だが、惑星が逆行して公転している例は発見されていなかった。それが、1000光年彼方の恒星で発見されている。逆行惑星が珍しくないのだとすれば、恒星間空間には恒星周辺から放り出された浮遊惑星が多数存在し、放り出された惑星が別の恒星に捕獲されて逆行惑星となる例が少なくないのを意味している。

 →惑星:恒星の自転に逆行して回る…国立天文台研究員ら発見

 地球は太陽の自転方向と同じ向きに公転する順行惑星だが、もし、地球の自転方向が他の惑星とは逆向きだったり、逆行軌道を公転していたりすれば、地球だけに生命や文明が存在する原因として考えられたかもしれない。

 実際、金星や天王星が自転方向が逆だったり、横倒しだったりするのと同様に、地球が逆向きに自転していて、月が逆行衛星だったら、月の成因に関しての説明はずっと早く解決していただろう。

 恒星の周囲に逆行惑星が発見されたからと言って珍しい惑星系だとは限らないのは、天体が逆向きに自転したり、逆向きに公転したりする例は太陽系内でもあるからで、ただ惑星が逆行軌道である例が見つからなかっただけである。

 木星や土星の周囲に逆行衛星が数多く見つかるように、太陽の周辺でも、遠くの惑星ほど逆行軌道を描いて公転しているかもしれない。恒星間空間に存在すると考えられている浮遊惑星が恒星に捕獲される可能性があるからで、捕獲された惑星は逆行軌道を描いて公転すると考えられているからだ。

 太陽から遠く離れた軌道上にも逆行惑星が見つかれば、その惑星は太陽系外から飛来した系外惑星だと考えて良いだろうから、恒星間飛行をおこなわなくても他の恒星の近くを公転していた惑星を調べる事が出来ることになる。

 恒星の周囲に出来た巨大惑星が軌道を変えて恒星に接近し、その過程で内惑星を宇宙に弾き飛ばす例が少なくないのであれば、恒星間空間には、こうして弾き飛ばされた地球よりも大きな惑星が数多く浮遊している可能性がある。

 その中に他の恒星に捕獲されている例があるという事は、浮遊惑星の数が非常に多いことを意味し、まだ、見つかっていないだけで、太陽の周辺には大小様々な浮遊惑星が数多く存在していて、4.3光年離れたケンタウルス座アルファ星に辿りつくまでの途中に中継拠点となる浮遊惑星が数多くあって、こういう浮遊惑星を利用出来れば、遠く離れた恒星まで行かなくても太陽系外の宇宙開発が進められるのかもしれない。

 浮遊惑星は未発見の暗黒物質に相当するものかもしれず、そうだとしたら、恒星の数よりも多くの浮遊惑星が存在するかもしれないわけで、他の恒星を目指す従来の宇宙旅行の考え方は大きく変わるかもしれない。

 もし、太陽系の周辺にも逆行惑星が見つかれば、それは遥か遠くの恒星を公転していた惑星だった可能性が大きく、何十光年や何百光年という距離を渡る技術がない現在でも、数十年ぐらいの時間で逆行惑星まで探査機を送れる可能性はあるので、遠くの恒星の周囲に存在する惑星環境について詳しい調査がおこなえるだろう。

 もっとも、逆行惑星が浮遊惑星が捕獲されたものだとしても、もともと低質量の準恒星として生まれた小さな褐色矮星かもしれないが、恒星のすぐ近くに逆行惑星が発見されたという事実は浮遊惑星の数が想像以上に多いのを意味しているのかもしれない。逆行惑星が珍しい存在ではなく、浮遊惑星も数が多いのだとしたら、従来の恒星だけしか見ていなかった宇宙観は大きく変わるかもしれない。



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