<ユーロ急落はEU通貨危機の前兆か>

ユーロ急落はEU通貨危機の前兆か


 ドルが暴落する前に固定相場制を続けているEU通貨ユーロが売られるという予測は以前からあったので驚かないが、ここに来てユーロ通貨が急落している。ユーロが暴落すれば、ヨーロッパは通貨危機に陥る危険性がある。アジア通貨危機と同じ混乱がEUで繰り返されるのだろうか。

 世界同時株安を放置すれば、ドルが暴落を起こして通貨危機に陥り、世界恐慌の引き金を引く可能性を指摘する人が多かったのだが、ドル防衛の為に固定相場制のEU通貨ユーロが急落を起こしているようである。ヨーロッパは第二次世界大戦前のドイツ通貨マルクの大暴落時と同様に通貨危機を起こすのだろうか。

 アジア通貨危機の時にバーツ暴落で手痛い打撃を受けたタイは政情不安が顕在化し、10年後の現在は隣国カンボジアと一触即発の状況にある。このままの状況が続けば、タイと周辺国との戦争は回避が難しいだろう。

 今、ユーロ暴落でEU通貨危機が起これば、10年後のヨーロッパが政情不安に陥り、ナチス時代と同様に危険な政権が出来上がっている可能性は否定出来ない。第三次世界大戦の準備が始まっているのだろうか。

 やはり、世界恐慌は避けられないのかもしれない。米国でサブプライムローン破綻が始まった段階で、すでに世界通貨危機の可能性は予測されており、ドル、円、ユーロのどれが暴落するかを予測する人が多かったが、ユーロの暴落という形に終わりそうな雲行きである。

 これでドルと円の暴落は回避されたかもしれないが、EUは大きな打撃を受ける可能性がある。これが世界通貨危機に発展して混乱が長期化するのだろうか。

 円が暴落しないのは米国債を大量に買っているせいだと言われるが、日本や中国を失ったら米国経済も無いからだろう。結局、EUを犠牲にする形で株暴落と通貨危機の混乱は落ち着くのだろうが、アジア通貨危機と同様に後遺症が残りそうに思える。

 結局、世界経済というのは、負債の押し付け合いであり、どこかが犠牲にされることで成り立っているという理不尽な関係にあるのだが、しばらくは混乱が収まることは無いだろうと思う。

 ただ、忘れてはいけないのは、株暴落や通貨危機が起こる最大の原因としてあるのは、我々が恩恵を受けている技術革新なのである。情報革命が急激に進んだ結果、世の中が急速に変わって、消費サイクルも変化し、ITバブル以降は実態が無い経済成長が続いていた歪が現れた形である。

 我々の生活は、ITバブルが続いた10年で大きく変わっている。物の消費が大きく落ち込んだのは、情報技術の進歩でインターネットを利用するようになり、企業の合理化が進んで、個人消費に費やす金額が大幅に減っているのが大きい。

 内需拡大が叫ばれているが、内需(軍需)の拡大が戦争を引き起こしたのが過去の教訓でもある。重要な政策運営が必要とされている時に政局は混乱しており、衆院選挙も出来ない状況が続いている。選挙を今、やらなければ百年の禍根を残すだろうと思う。



                                   <NOBUAKI>