<なぜピラミッドは作られたのか>

なぜピラミッドは作られたのか


 テレビ番組ほどいい加減なものはないと思うのは、理由がわかっていても、謎だの、神秘などと言っては視聴率に結びつけようとすることだろうか。エジプトのピラミッドなどは、その典型的な物だろう。ピラミッドが建設された真の理由は、どこの国にもある、政治的、経済的なものだったのである。

 国をまとめて行くのには民衆が喜ぶ行事を催す必要がある。それは、どこの国でも変わることはない。その為に莫大な費用が投資されることもある。それは、「祭り」である。エジプトのピラミッドが作られた真の理由は、祭りを盛り上げる為に必要とされる「山」だったと言われている。日本でも「山を担ぐ」と言うが、松明や提灯で飾られた山を作って祭りを盛り上げるのは、日本でもエジプトでも同じであった。

 →ピラミッド

 大昔のピラミッドは表面に光を良く反射する白い塗装がされていたという。祭りの間、ピラミッドは松明の炎で一面を飾られ、炎に包まれて輝いていたそうである。炎に包まれたピラミッド群はオリオン座の形に配置され、夜空に輝く星座を思わせる光のオブジェとして遠くの山々からも見えたと言われる。

 ピラミッドにファラオのミイラが安置されなかった理由もわかるはずである。おめでたい祭りで使う山をファラオのミイラを置く墓に出来るわけがない。ピラミッドが墓であるわけがないのである。

 ピラミッドの中にあるさまざまな仕掛けも、おそらくは祭りを盛り上げる為に作られた仕組みなのかもしれない。ピラミッドが祭りの山だったと考えれば、謎の多くは解けると言われる。エジプトが繁栄し、国が大きくなるほど巨大なピラミッドが作られ、国が衰退するにつれて、祭りの規模も縮小され、ピラミッド建設も衰えていった理由がわかるはずである。

 ピラミッドが炎に長時間晒されても燃えない岩石で作られ、表面が熱に強い花崗岩で覆われていた理由もわかるだろうと思う。

 祭りは宗教行事であると同時に、民衆を熱狂させ、国を団結させる上でも無くてはならないものである。エジプトのファラオがピラミッド建設に莫大な巨費を投じ、当時の最先端技術を駆使した理由も納得が行く。

 どんなに文明が高度なものになっても、祭りが無い文明は存在しない。エジプトのファラオが祭りを重要視したのは言うまでもないだろう。

 ピラミッドは文明の原点が祭りにあるのを意味している。ピラミッドと同じく、スフィンクスも祭りの為に建設された構築物かもしれない。ピラミッドを考える時に、人間性を抜きにした荒唐無稽な空想論を展開する前に、人間の原点、文明の原点を考えれば、ピラミッドの目的が何であるかは明白だろう。



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