<フリーターやニートは長生き出来ない>

フリーターやニートは長生き出来ない


 ローマ帝国時代、奴隷をいかに効率良く使うかを考えていた貴族は、一つの結論に達したという。それは、奴隷は30歳ぐらいで死ぬように使うのが最も効率的だというものである。自由市民や貴族に比べて、奴隷の寿命は短いものであったと言われる。平均寿命が80歳を超える現在、所得格差は寿命にも影響を及ぼしている。未婚の男女も既婚者に比べて寿命が短くなる。平均寿命は真の寿命を現しているとは言えない。

 人間が長生きするようになった理由については、まだわかっていないことが多い。本来、動物は子供を育てる期間を過ぎる頃が寿命である。人間の場合、その後が非常に長く、孫や曾孫まで見ることも珍しくない。

 しかし、結婚して子供を育てようとしない人の場合、寿命が短くなる傾向があるようである。既婚者と未婚者では明らかに平均寿命に違いが見られるのである。同様に、所得がある程度まで多くないと、生活面や医療面での問題などから寿命が短くなるなど、所得格差も寿命に影響している。

 平均寿命が80歳を過ぎているから、誰もが80歳を過ぎる年齢まで生きられるというわけではない。未婚であったり、所得が低い場合には、寿命が短くなる傾向があるのである。

 もちろん、金持ちが必ずしも長生きではないことは良く知られている。しかし、所得と寿命との相関関係についてのデータが公表されていないのに、なぜ、そういうことが断言出来るのだろうか。

 米国では中産階級と低所得者層との平均寿命には5年以上の格差があることが統計として出ていると言われる。日本の場合も同じような傾向が見られるはずであるが、政府もマスコミも公表しようとしないのである。

 現在のように、若年層、中年層の自殺者が多く、フリーターやニートなどの低所得者の比率が増え続けている時代が続くと、将来的には平均寿命にも影響が出て来るだろう。

 平均寿命で年金の支給開始年齢を決めると、所得が低い人ほど年金受給年齢に達しないうちに死亡する公算が大きくなる。同じく、既婚か、未婚かでも寿命に影響するので、未婚者ほど受給年齢に達しないうちに死亡する公算が大きい。

 もちろん、所得環境や家庭環境で年金の受給開始年齢を決めることには批判があるのも事実である。だが、そうであれば、こうした寿命の格差を無くす政治をおこなうべきではないのだろうか。

 現在のままの格差社会が拡大して行けば、年金・保険・介護などのサービスを受けられないまま寿命に達してしまう人が増えて、有名無実の制度になるだろう。平均寿命の高さを理由とした年金・保険・介護制度は、ある程度の所得がある人々だけが恩恵を享受出来るものに過ぎず、低所得者には恩恵が薄い制度になりかねない。

 格差社会は教育・雇用・医療だけの問題ではない。寿命まで縮める結果を生むのである。フリーターやニートと呼ばれている未婚の低所得者層の実質的な平均寿命は、既婚の中所得者層と比べて大きな違いがあるはずである。

 平均寿命とか、平均所得とか、格差をごまかす数字に騙されてはならないだろう。格差社会の実態が見えにくいのは、政府が発表する数字が全て平均値でごまかされていることが原因としてある。

 政府に都合が良いことは米国の真似をするが、都合が悪いことは真似しないで隠すという、明治時代から続いている慣習は今も変わっていない。そういう偏った政治が現在も続いていることを忘れてはならないだろう。



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