<防衛利権:自衛隊ビデオは何を意味するのか>

防衛利権:自衛隊ビデオは何を意味するのか


 守屋防衛事務次官が逮捕される前の今年6月に自衛隊が汚職防止を目的に啓蒙ビデオを製作していたことがわかったが、その内容は防衛疑獄事件の内容に酷似しているものが多かったという。このビデオが製作された動機を考える時、汚職事件の発覚防止や関係者への責任追及予防などを目的にしたものである可能性を疑うことが出来る。これから発覚する事件と酷似した内容の映画やビデオをあらかじめ公開して置いて、捜査を撹乱したり、事件の信憑性を無くす行為は情報操作で使われる手口だからである。

 映画やビデオを模倣した事件が最近多いことは広く知られている。地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教がアニメ映画の内容を模倣していたり、ニューヨークで起こった同時多発テロがパニック映画の模倣であったのは言うまでもない。

 だが、テログループが映画やビデオの内容を模倣して事件を起こす理由は何だろうか。単にイメージ宣伝として有効だという理由だけだろうか。

 もし、ニューヨークで同時多発テロが起こる少し前に、あの事件そっくりの映画が公開されて世界中で大ヒットしていたとしてみよう。その後で同じ事件がまもなく起こるという情報が流れたら、それを信じる者が何人いるだろうか。

 多くの人々は、それは映画の見過ぎだと考えて信じようとしないだろう。映画のようなことが現実に起こるはずがないと頭から決めてかかるだろう。荒唐無稽な映画ほど大ヒットするのを知っているからである。

 これを逆用すれば、あらかじめ映画として作って置けば、後で同じ事件を起こす場合、それが途中で情報漏れを起こしても誰も信用しないように出来るという利点がある。同時多発テロは、映画の民衆への意識操作を逆手に取った事件であったし、それは、地下鉄サリン事件でも同じである。情報社会の現在は、娯楽映画の内容と同じことが起こらないと信じ込むのが逆に危険な時代なのである。

 事件が起こる以前に、事件そっくりの映画やビデオが製作されていた場合は、情報操作の可能性を疑ってかかる必要がある。予言的な内容の映画やビデオほど、情報操作を目的とした可能性が濃厚になるからである。

 防衛疑獄事件が起こる前に、その内容とそっくりのビデオが製作されていた事実は、自衛隊が事件の全貌を知らなかった理由付けにはならないだろう。

 むしろ、汚職事件が進行していた事実の信憑性を隠蔽する目的で製作されていた可能性が高い。守屋次官の指示で製作された可能性さえ疑うことが出来る。防衛疑獄事件の裾野が広いせいかもしれない。

 こういう映画やビデオで以前に見たような記憶(デジャブ「既視感」)がある事件が現実に起こるのは、過去にも例があり、注意を必要とする民衆操作であり、社会的兆候である。



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