<NHK特集「ポアンカレ予想」を見て>

NHK特集「ポアンカレ予想」を見て


 NHK特集で見たのは、100年かかっても解けないと言われた数学上の難問である「ポアンカレ予想」を解いた数学者のドキュメンタリーである。この難問を解けば、宇宙の形がわかるだけでなく、宇宙のどこへでも行けるようになると言われる問題であるが、それが数学と物理学を併用して、ロシア人数学者グレゴリー・ベレルマンが解き明かしていく話であった。この難問が解けた後の数学者の不可解な行動については、理由が明らかにされていないが、コンピュータが実現可能なことがわかれば、その未来の可能性について多くを知ることが出来るように、ポワンカレ予想が解けた後、人類の宇宙開発の未来を知り尽くした行動だったのかもしれない。

 たった1つの方程式を解いただけで世の中が大きく変わることは、アインシュタイン博士の相対性理論だけではない。他にも、物理学、数学上の難問が解かれた結果、社会的に大きな影響を与えた理論は数知れない。

 相対性理論が書かれた時には、それが半世紀余りで核戦争や原子力の時代を切り開く結果になると予想していた人はごく少数だったように、ポアンカレ予想が解けた結果、それが宇宙の彼方まで到達出来る方法に繋がるということがわかっても、それを具体的に提示出来る人は、やはり、ごく少数でしかないだろう。

 宇宙の彼方まで行けると言っても、ポアンカレが生きていた時代は宇宙ロケットが無かった時代である。ポアンカレはトポロジーで予想される宇宙の形がわかれば、それを利用して宇宙の遠くの場所へ行けるようになると考えていたらしい。

 これは、孤立した島にいたのでは、大海を渡らなければ他の陸地に行けないのに対して、大地の地下構造が詳しくわかれば、トンネルなどを通して他の陸地へ行ける道筋を知ることが出来るのと同じ意味だろう。

 ポアンカレ予想によると、宇宙の形は最大で8個の異なる構造を持つ部品からなるのだという。次元を超えた移動方法が発明されれば、宇宙ロケットを使わなくても、地球から他の惑星へ一瞬のうちに移動出来るようになるのかもしれない。ポアンカレ予想の解明は、その理論的基礎を明らかにしたということだろう。

 逆に言えば、向こう側の惑星から地球へ来ている可能性を証明したということかもしれない。もしくは、地球が孤立した惑星であるというのは、我々が無知から信じ込んでいた思い込みに過ぎず、地球は遠くの惑星と繋がっている宇宙版シルクロードの中間拠点のような存在だということかもしれない。

 島だと信じ込んでいた場所が大陸の一部だったという実話もある。トポロジーで次元を変えて地球を見ると、遠くの惑星と繋がっていることがわかるのかもしれない。

 もし、地球が孤立した天体ではなく、遠くの惑星と次元を超えて陸続きで渡って行ける惑星の1つだとすると、従来の宇宙観が覆されることになるだろうし、次元を超えた宇宙旅行が出来るのであれば、人口問題や環境問題なども解決法が見つかるかもしれない。

 何よりも、こういう次元を超えた宇宙旅行が現実に可能になれば、莫大な数の人間や大量の物資を他の惑星へ移動させたり、他の惑星と貿易したりといったことが時間をかけずに出来るわけで、不可能と言われた宇宙規模の文明圏の実現が可能であることを意味するだろう。

 これから半世紀余りで、次元旅行の技術が実現するのだとしたら、良くも悪くも人類の未来に大きな影響を与えるだろう。



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