<厚生労働省は機能していないのか>

厚生労働省は機能していないのか


 「店晒し」という言葉があるが、問題があることがわかっていながら何もしないで放置し、手遅れになるのを待つことであり、サボタージュに等しいものである。厚生労働省が今までにおこなったサボタージュによって、薬害肝炎被害者は情報を与えられることもなく、企業と行政の双方から黙殺され、放置されて、厚生労働省は被害者の死を待っていたわけである。これは別に薬害肝炎事件だけが特別なわけではない。政府がいつも使っている常套手段である。

 政府が腐ると何もしなくなるという格言がある。何もしないで給料と企業からの賄賂の両方を貰うのが一番得だからである。政府が腐って何もしなくなったら、外国から攻められて国が滅びるのを待つか、革命を起こして国を立て直すしか道が無いと言われる。

 日本はどちらを選ぶのだろうか。国が内部崩壊を起こして衰退し、外国から攻められて国家が滅亡するのを待つのだろうか。それとも、腐った政府を倒して新国家を建設する革命を実現するのか。それとも、古き良き時代に逆戻りするファシズムに走るのだろうか。どれを選んでも政治的な混乱は避けられないようである。

 政府が変われば、それで全てうまく行くわけでもない。腐っているのは政府や行政だけではなく、企業やマスコミも同じだからである。厚生労働省や防衛省など、腐敗体質を露呈した官公庁だけを見て、もぐら叩きをしていればうまく行くようになると考えていたのでは、何も変わらないまま破局が来るだろうと思う。

 現在の状況は、幕末の頃、西洋から産業革命が輸入されて時代が大きく変わり、権力を握っていた江戸幕府が腐敗堕落して力を失い、農民が重税に苦しんでいた時代に似ている。

 情報革命が進んで、政府と行政機関はすでに江戸幕府と同じ状況に凋落している。長期不況が続き、雇用不安が定着し、消費税引き上げで弱者への負担が重くなり始めている。

 自民党政権が終わるのは、幕府の大政奉還同様に、ほぼ間違いない状況に入っているように思う。新政権が今までのやり方を続けて何も前進しないまま政治の停滞が続くのであれば、明治維新と同じ状況が待っているかもしれない。

 ただ、なぜ、こうも政治が停滞し、政府が機能不全に陥っているのか、その理由を知って置くべきだと思うのである。幕府が倒される前もそうだったのだろうが、権力の中枢にいる者達には国が危機的状況にあるという認識が薄いのである。厚生労働省が国民の命のカルテを店晒しにして放置を続けたのは、薬品メーカーとの関係が壊れるのを恐れたからに他ならないのである。

 国民に対する責任意識が無い官僚が政治をやるようになったら、その国は何をどうやっても終わりである。腐敗した官僚を追い出す以外に方法が無いのだが、それをやる勇気を持つ政治家がいないわけである。

 昔、中国の国王が官僚のやり方に腹を立てて、自分で政治を始めたら、官僚が全員サボタージュをして国政が混乱したことがあったという。国王は怒って官僚たちを死刑にしたが、その後も国の混乱が続き、国家は滅亡したそうである。

 国王が政治をやらなくなって、官僚が政治をやるようになってから、国王の力は失われていたわけである。今の日本もまた、政治家が無力で、官僚が権力を握って政治を動かしている状況であり、官僚を追い出して政治家が権力を奪い返せば、その後に待っているのは政治の混乱なのかもしれない。

 政府が何もしなくなった時に、政府自身の手で立て直すのは非常に難しく、成功例が少ない。よほど強力な指導力を持つ勢力が権力を握るのでない限りは、政府の立て直しは難しいだろう。

 何をやっても悪くなるだけだから、何もしないのが一番良い。本当にそうなのだろうか。



                                   <NOBUAKI>