<地球温暖化を止める方法はあるのか>

地球温暖化を止める方法はあるのか


 現在のまま地球温暖化が進めば、100年後までに平均気温が6.3度以上も上昇し、深刻な環境問題に直面すると言われている。これを二酸化炭素などの温暖化ガスの削減で防ごうとすれば、世界経済に与える影響は大きなものとなる。もっと単純で効果的な方法はないものだろうか。実は、ロシアがその基礎技術をすでに確立している。

 地球温暖化が続く原因は、二酸化炭素やメタンなどの温暖化ガスの放出が続いている為だが、現在、考えられる温暖化対策では、どうやっても間に合いそうにない。

 だが、コストはかかるが太陽からの輻射エネルギーを制御する実験をロシアが宇宙でおこない、成功している。

 それは、無人貨物船から回転によって太陽光線の反射膜を広げることで、太陽光線を任意の方向に反射して照らすものであり、高緯度地域に太陽光線を送ることが目的であったが、環境問題の悪化を心配する人達による反対が多く、実験は1回だけで中止されている。

 しかし、太陽の輻射エネルギーを制御する技術は、大規模な物を宇宙に打ち上げれば、地球温暖化が深刻な地域に影を作って温暖化を抑制することも出来るわけで、決して無駄に終わった実験では無かったように思う。

 ただし、地球温暖化を止めるほど巨大な太陽反射鏡を宇宙に広げる技術がまだ確立されていないことと、反射膜の厚さが数ナノメートルという極めて薄い薄膜にしなければならないなど、技術的な難問が多く、これを全てクリアしなければならないという技術的課題が残る技術である。

 もっとも、理論的には決して不可能な技術ではない。極めて薄い薄膜にすれば、現在のロケットの打ち上げ重量でも十分な大きさの反射鏡を宇宙に広げることが出来る。薄膜は顕微鏡レベルの小さな穴を無数に開けて軽量化すれば、小惑星ぐらいの大きさの反射鏡を宇宙に作ることも出来るわけであり、半透明な膜でも赤外線の反射を大きくすることは出来る。

 ただ、理論的には可能でも、このような薄く脆弱で僅かな力が加わっただけで反射膜が折れ曲がったり、縺れたりしやすい構造上の弱点をどう克服するかという問題もあり、また、これほど薄い反射膜を破れることなく均一に広げるには、どうすれば良いかという技術上の問題など、維持や管理上の難問が多いことも事実である。

 重量の問題は反射膜を限りなく薄く作ることで克服出来るわけだが、問題は反射膜が壊れて太陽光線を制御出来なくなった時に、地球上に大災害を引き起こす危険があることである。

 この薄い反射膜を持つ人工衛星を作る計画は、地球温暖化の抑制だけでなく、火星の気温を上昇させることにも使えることがわかっているが、新たな環境問題を作り出すだけではないかという指摘もある。

 ただ、技術的に見て、太陽の輻射エネルギーを制御する技術インフラを持つことは決して無意味ではないだろう。太陽光線は僅かな変化でも地球の気温や生態系に与える影響が大きいと言われており、それを検証する意味でも価値があるように思う。



                                   <NOBUAKI>