<イージス艦機密漏えい事件>

イージス艦機密漏えい事件


 米国の最高軍事機密に属するイージス艦のレーダーシステムに関する情報が海上自衛官によって持ち出され、漏洩していた事実が明らかになったが、これはMD(ミサイル防衛)に関する重大な問題を含んでいるようである。機密漏えいと言えば、WINNYによる情報流失事件が多いが、日本は昔から軍事機密の漏洩事件が非常に多い国として有名である。

 軍事機密の漏洩と言うと、ピンと来ない人が多いと思う。確かに、私達の生活と直接関係している問題としての認識が薄い人が多いからだろう。軍事機密と言っても、むしろ、漏洩した方が良い情報もある。

 例えば、官僚の不正や腐敗に関しての情報などは公開された方が良い結果を生むだろうし、軍事機密にされた為に、軍の犯罪を立証出来なくなったり、民生技術に応用出来なくて莫大な経済的損失を与えたりする場合もあるからである。

 今回の事件は外国人が絡んでいるだけに、国際スパイ事件の可能性が大きいように思うが、イージス艦の構造やフェイズドアレイレーダーの性能に関する詳細な情報が流失したことが大きな問題になっているようである。

 戦時中にも同じような事件は起こっている。ナチスドイツから日本に送られた軍事情報が意図も簡単に敵国の情報機関に流されてしまうのでヒトラーは日本の情報管理に不信を抱いていたというし、山本五十六の乗った軍用機が米軍によって撃墜されたのも軍事機密の漏洩が原因だったと言われている。

 イージス艦の性能に関する情報が流失した事件が起こるということは、イージス艦の情報に接近するまでに集めた軍事情報が相当流失している可能性が高いはずで、MD(ミサイル防衛)に関して第三国が熱心に情報収集していたことが窺える。

 しかし、こういう事件が起こる国であることは、規律の緩みと言うよりも、そもそも軍事機密の管理に関しての技術が幼稚であるということに尽きるのではないかと思う。

 高度な軍事機密を無断で持ち出そうとしたら警報が鳴るぐらいの設備さえ無かったというのが不思議であるし、家族に外国人がいたら、民間企業でも企業秘密に関することは教えられないのが普通ではないだろうか。

 昔から言われていることだが、外国人と関わると、その国の情報機関から利用される危険がつきまとうという。亡命者の家族や移民の家族などが本国の情報機関から狙われることがあるのは、映画や小説などでも出て来ることであるし、それは我々も一般常識として知っていることでもある。

 今回の事件の場合、機密漏洩事件の自衛官の家族が中国人だったことが大きな問題になっているようである。

 イージス艦の最高レベルの軍事機密と言っても、何十年か過ぎれば、価値の無い情報になってしまうわけだが、現在のところは、まだ隠して置きたい情報だったのだろう。

 ただ、イージス艦の情報が漏れたと言って騒ぐということは、MD(ミサイル防衛)に関して米国がイージス艦を主力に置いていることを意味しているわけで、これでは、イージス艦を先に破壊すればミサイル防衛は無力化すると宣伝しているようなものである。



                                   <NOBUAKI>