<地球に類似した惑星を発見>

地球に類似した惑星を発見


 探せば見つかるということだろうか。地球からわずか20光年ほどの距離にある赤色矮星の周囲に地球の1.5倍ほどの直径を持ち、海や岩石があると考えられる惑星が発見された。平均温度は摂氏0~40度というから、地球の平均温度に非常に近い温度である。

 この地球型惑星は以下のサイトに掲載されている。

 http://www.asahi.com/science/update/0425/TKY200704250059.html

 ウィキペディア(Wikipedia)では以下の通り。

 →グリーゼ581
 →グリーゼ581e(第1惑星)
 →グリーゼ581b(第2惑星)
 →グリーゼ581c(第3惑星)
 →グリーゼ581g(第4惑星)
 →グリーゼ581d(第5惑星)
 →グリーゼ581f(第6惑星)

 しかしである。この観測結果はかなり大雑把なものだろうから、詳細な観測結果を待たないと何とも言えないだろうと思われる。以前にも地球そっくりと言われた惑星が木星よりも大きかったり、惑星だと言われた天体が摂氏1000度もある高温の星だった例もあるからである。

 摂氏0~40度というデータもスペクトル分析の仕方では全く異なる結果になる場合もあるし、何よりも大気の存在が確定していないようなので、まだ地球と同じような惑星だとは言い切れないだろう。

 火星のような惑星が地球と同じ軌道を公転していたら、おそらく、同じような観測データが出るはずだからである。

 懐疑的にならざるを得ない理由はいくつかある。まず、惑星が公転している太陽が赤色矮星だということである。赤色矮星とはどういう恒星なのかと言うと、直径が太陽の3分の1以下の星で、太陽よりも表面温度が低いので赤く見え、質量も小さく、核融合で輝いているものの、核反応が不安定であり、多くの星が、しばしば大規模な爆発を起こしてフレアが観測される星である。フレア星と呼ばれているものもある。

 その為、大気を持つ惑星が周囲にあっても、何十億年にも渡って繰り返された大規模なフレア爆発によって大気を失ってしまった惑星が多いと考えられている。また、核融合が不安定なので、地球のように惑星の平均温度が何億年にも渡って安定していたとは考えにくく、凍りついたり、灼熱の星になったりを繰り返した天体だろうと予測される。

 その為、惑星の平均温度が0~40度というデータが真実だとしても、ここ数万年の間だけがそうだったのであって、過去は全く違う星だった可能性もある。

 また、惑星が赤色矮星に極めて近い距離にあることも問題であり、公転周期が13日しかない軌道を公転しているのであれば、赤色矮星から受ける潮汐力は地球が太陽から受ける潮汐力の何千倍もあるに違いない。

 こんなに大きな潮汐力を受けていたら、惑星は赤色矮星に常に同じ面を向けて回っているはずであり、そうならば、昼側と夜側で環境が全く違うはずで、温度差が桁違いに大きいはずである。これは、平均温度が0~40度という観測データと矛盾する。

 従って、この惑星にはかなり大きな衛星が回っているはずで、自転周期も地球と同じくらいに短いはずである。もし、そうだったら、大変な発見であり、地球と月のように大きな衛星を持つ惑星が宇宙には数多く存在することを意味している。

 ただ、それでもまだ問題が残る。この惑星の直径が地球の1.5倍もあるという点である。観測誤差の問題が残るので、正確な値が出るまでわからないが、地球よりも大きな惑星は大気が濃すぎて地表温度が高温になり、海が出来ないことがコンピュータシミュレーションで確かめられているのである。

 しかし、海が無いのであれば、平均温度が0~40度という観測事実と矛盾する。惑星の直径が実際は地球と同程度で、衛星がすぐ近くを公転しているのだと考えれば、矛盾は無くなるので、やはり月ぐらいの大きさの衛星が周囲を回っているはずで、地表の温度差が少ないことから、海があるのは間違いないだろう。もちろん、地球と同じくらいの濃さの大気が無いと海が蒸発してしまうので、地球とほぼ同じくらいの大気があると考えられる。

 もっとも、これだけ条件が整っていても、地球とは全く異なる環境の惑星である可能性は否定出来ないのである。先に書いたように、赤色矮星の核融合が不安定なので、何百万年という間の数万年だけが地球に類似した環境であって、それ以外の期間は温度が低過ぎて惑星全体が凍りついている氷河期だったり、逆に高過ぎて海が蒸発した砂漠の惑星だったり、という具合になっている可能性があるからである。

 実は、太陽と同じぐらいの大きさの恒星でも不安定な星は非常に多くあり、太陽のように長期に渡って安定している恒星は珍しいと考えられている。太陽のようなスペクトルの恒星の多くは、突然明るくなったり、暗くなったりということを繰り返している場合が多く、惑星があっても生命は存在出来ないと考えられているのである。

 また、この赤色矮星が太陽のように安定しており、惑星にも月があり、大気や海があるのだとしても、赤色矮星の公転軌道が太陽と同じ共円軌道でなければ、銀河系の腕を比較的頻繁に通過するので、生命が存在しても彗星群の落下で何度も絶滅を繰り返していて、知性を持つ生命が発生する時間が無いだろうと予測される。

 もっとも、地球そっくりの惑星が比較的近距離の恒星の周囲で発見されたことは、大変な発見であるのは間違いないだろう。もし、これが観測誤差が無い真実なのだとしたら、地球とほぼ同じ環境の惑星は銀河系内に無尽蔵に存在し、海と陸の面積比に違いがあったり、大気の濃さに違いがあったりという差があるとしても、地球のような惑星はありふれた平凡な惑星に過ぎないことが証明されることになる。

 しかし、先に述べたように核融合反応が不安定でフレア爆発を頻繁に起こす傾向がある赤色矮星の周囲にある惑星であるので、フレアによって発生した荷電粒子が大量に惑星上に降り注いでいるはずであり、その放射線量は太陽とは比較にならないほど強いものだろうから、生命が存在しても高等生命にまで進化するのは難しいだろうと思う。

 生命が絶対にいないとは言えないが、人類のような知的生命の可能性は考えない方が良いだろう。



                                   <NOBUAKI>