<放射性物質とロシア人スパイの関係>

放射性物質とロシア人スパイの関係


 元KGB(現FSB)要員のスパイがロシアのプーチン政権を糾弾する本を出版して、元KGBの同僚から放射性物質ポロニウムを飲まされて死亡する事件が起こり、英国を当惑させているが、放射性物質をスパイ活動で使用するのは、ロシアにとっては珍しいことではない。旧ソ連時代から続いている慣習である。

 「ガイガーカウンターを使ってロシアのスパイを見つけることが出来る。」という冗談があるほど、ロシアという国はスパイ活動や要人暗殺に放射性物質を使うことで有名な国である。

 放射性物質を含んだ塗料を相手の服に塗りつけて、マーカーとして利用し、遠くから追跡するという手法も使われているし、敵国の軍人の家族に放射性物質を含んだ甘いお菓子を食べさせて癌を発症させ、高額の医療負担で生活を窮乏させて、僅かな金で軍事機密の漏洩を誘うという手法も使う。要人暗殺に放射性物質を使うのは、ロシアでは、むしろ常識だろう。

 もっとも、ロシアだけが、こういう非人道的な手法を使うというわけではない。米国もまた、汚い手口ならば数え切れないほど使う国である。文献に載っていない化学物質が体内から検出されたら、スパイに狙われていると考えて良いくらいである。

 なぜ、こういう非人道的な行為を繰返すのかと言えば、それはスパイの本質がわかっていないからだということになる。国家に機密情報をもたらす為には、自分の名誉も命も家族もみんな捨てている人達である。常識を求める方が酷ではないだろうか。

 スパイが国家を裏切ったら、殺されるのは当然だろう。これは、どこの国でも同じだろうと思う。スパイは国家機密を知り過ぎているし、元スパイの発言は、たとえ、嘘であっても信じる人は多い。スパイが政治的な発言をおこなうのは、国家にとって危険であるのは言うまでもない。暗殺の危険があって当然なのである。

 こういう英国というスパイ国家とロシアというスパイ国家の間で起こったプロパガンダ戦術の犠牲になった事件は、数多くあったように思う。今の世の中もモラルが無くなって来ているが、スパイや情報機関というのはさらにモラルが無い人達がやっているのだということを忘れないようにしたい。



                                   <NOBUAKI>