<告発の行方>

告発の行方


 マスコミに取り上げられて人生を棒に振った人は数多くいる。特に犯罪被害者の場合は、その影響は深刻である。殺害された被害者がマスコミで放送されて有名になってしまった為に、遺族の近所付き合いがうまくいかなくなり、引っ越さざるを得なくなった例も多い。逆に深刻な問題をマスコミが取り上げようとしない場合もある。マスコミに代わって、こういう問題を告発出来る場を与えているのは、実はインターネットである。

 勇気を奮って告発したのに、その後の情報のコントロールが自分の手を離れてしまって、悲惨な結果になる例は多い。マスコミが騒ぎ過ぎた事件の被害者や遺族などがそれである。

 また、政治家が干渉していて、マスコミがなかなか取り上げようとしない問題を抱えている人もいる。こういう人達に力を与えてくれるのは、インターネットである。

 マスコミが怖いのは、誤った情報を流された時に、その訂正がなかなか出来ないことだろう。意図的に情報が捏造されて流されたり、歪めて報道されることもある。また、一度に多くの人が知ることになるので、知名度が上がり過ぎて、どこにも逃げ場所が無くなる問題も含んでいる。

 それに対して、インターネットはマスコミと同じような問題も持っているが、同時に正反対の特性も持っている。インターネットで告発しても、マスコミほど深刻な結果を生むことは少ない。マスコミと違って、一度に多くの人に知られることがなく、時間と共に知名度が上がっていく傾向があるからで、インターネットで公開しても大部分の人には知られていない場合が多い。

 もちろん、インターネットで公開した情報があちこちのサイトにコピーされて公開され、コントロール出来なくなる問題はあるが、それはマスコミも同じである。

 現在、問題になっている、いじめ・不正・捏造・隠蔽・横領・殺人などの犯罪被害者や遺族が真実を告発出来る場所はインターネットしかない。

 マスコミが報道したい映像が何かは誰でもわかっているはずである。いじめ事件であれば、自殺に追い込まれている子供達の告発を映像で放送したいわけだし、それは出来るだけ大勢の子供たちの声を放送したいわけである。

 しかし、これをおこなうには、マスコミは影響力が大き過ぎる。出演した子供達の知名度が上がり過ぎて、逆に追い詰めてしまう危険があるからである。それに対して、インターネットの場合は、先に書いたように知名度があまり上がらないので公開しやすい側面がある。

 もちろん、顔を隠したり、サウンドフィルターで声を変える必要があるだろうが、マスコミはこういう希望を本音としては持っているはずである。もっとも、これは出来ない相談だろう。マスコミに出演するというだけで尻込みする人が多いし、マスコミが作為的に人選をおこなう危険もある。むしろ、個人が自分の意思でインターネットに告発する方が真実が明らかになるのではないかと思われる。

 現在のインターネットは自分で撮影したビデオ映像をホームページで放送出来る技術水準にまで高められている。少しの勇気があれば、これは可能だろう。今後は、こういう告発ビデオがインターネットで流行するのかもしれないが、文部科学省や教育委員会、学校などは、教育の実態が暴露されるのを恐れていると思う。

 もちろん、技術的には、ここまで可能というだけであって、ビデオに出なければならないということではない。むしろ、丹念にブログに書かれた告発文を読む方が説得力を持っている場合もあるからである。

 なぜ、こういう話を書くのかと言えば、インターネットで公開されているビデオ情報が与えるインパクトの大きさからである。アルカイダのようなテログループの告発がインターネットを通して世界を動かしていることに圧倒されている印象を受けるのは、私だけではないと思う。

 何よりも多くの人は、政府やマスコミが隠している真実を知りたいと思っている。いじめ自殺をした子供達が何を悩んでいるのかがマスコミを通じて明確に報道されることがなく、プライバシー保護というよりは、政治的な理由が公開を阻んでいるのではないかと思う。

 もちろん、告発が逆効果になる危険は常にある。心無い者達の非難に晒されたり、告発者探しを文部科学省がおこなう危険もある。露骨な情報操作を受けて誤解を招くかもしれない。

 しかし、インターネットが進むべき道を考える場合、誰もがさまざまな形で自己主張出来ることが必要だと考えたい。告発は、その1つの方法ではないかと思う。

 少なくとも、自殺した後で日記が公開されても手遅れである。自殺前にさまざまな告発がインターネットでおこなわれていれば、誰かが予防線を張ることは出来る。告発が良い結果を生むか、それとも逆の結果になるかはわからないが、告発した人の多くは、告発して良かったと思っているのではないだろうか。

 ただ、くれぐれも人の弱みにつけ込んで甘い言葉をかけてくる犯罪者がいるので、誘いに乗らないように気をつけていただきたい。



                                   <NOBUAKI>