<円周率と巨大地震>

円周率と巨大地震


 阪神大震災が起こった当時、話題になったのが円周率と地震の日付との関係だった。円周率の小数点以下の数字が地震の日付や犠牲者の数と一致するというものだった。果たして、これには因果関係があるのだろうか。

 阪神大震災は色々な噂が流れた珍しい地震だった。まず、米国で起こったロサンゼルス地震と同じ日付であり、1991年に起こった湾岸戦争の日付とも同じ1月17日だったことと、元号では平成7年1月17日であり、ちょうど左右対称な数字の並びになるというものであった。

 不思議なのは、これだけではない。犠牲者の数が当時の集計で6433人であり、この数字は円周率で小数点以下から数えて22番目から25番目に相当する数字である。そして、22番目というのは、アルファベットで「V(Victory:勝利)」を意味することもあって、まるでイラクが湾岸戦争の報復をしたような印象を与える地震であった。

 また、1月17日という日付の並びである117という数字は、円周率では小数点以下で94番目、3から数えると95番目になるわけだが、これはロサンゼルス地震が起こった94年と阪神大震災が起こった95年に一致するわけである。

 もちろん、これだけでは偶然起こった地震ではないという根拠にはならない。円周率というのは、実は乱数と良く似た性質を持つ数字の並びであって、自然界で起こる物理現象によって、もたらされる数字を全て含んでいる関数なのである。

 従って、統計上の数字や日付、宝くじの当選番号など、あらゆる数字の並びが全て円周率の中に含まれていて、円周率の中に無い数字の方が珍しいくらいである。

 その為、円周率の中にある数字だということは、逆に言えば、自然現象の数字だということになって、人為的に起こされたものではないということになるわけである。

 しかし、それならば、同じく1年を置いて同じ日付で2回、2003年と2004年の12月26日に起こったイラン地震とスマトラ地震はどうなのだろうか。これも12月26日の数字の並びである1226を円周率から検索してみると、小数点以下では963番目、3からでは964番目になる。つまり、3と4が2003年と2004年に一致するわけだが、全ての数字が一致するわけではない。

 また、スマトラ地震の犠牲者の数は当初は22万人余りという数字が出ていたが、現在では18万423人に訂正されている。この22万人という数字は阪神大震災による犠牲者の数の6433人があった円周率の数字の並びの22番目と一致するわけだが、これを応用して円周率から検索すると、スマトラ地震の犠牲者の数は22万3172人ということになる。(実際は行方不明者を含めて22万6194人。)もちろん、これは単に数字の上でのおおよその一致に過ぎない。

 それでは、百歩譲って、さらに地震の犠牲者と円周率の一致が今後も続くのだと考えてみよう。すると、223172という数字があるのは円周率で135番目だから、次回に起こる巨大地震では135万4735人が死亡及び行方不明になる計算になるが、地震でこれほど多くの人が死亡した記録は無かったように思う。

 また、さらに1354735という数字が円周率上であるのは、小数点以下2718番目なので、次の次に起こる巨大地震では2718万8515人が死亡及び行方不明になる計算になるが、こんなに死者が出る地震も起こった例がない。

 何よりも、こうした計算を繰返していたら、最後は人類全てが死に絶える結果になってしまって、非現実的な数字になってしまう。現在の地震の記録ではマグニチュード13以上の地震は起こらないことになっている。そんなに大きな地震は地球の初期には起こっていた可能性があるが、現在ではほとんどありえない地震だからである。

 つまり、最近の巨大地震が円周率と一致するからと言って、将来起こる巨大地震を円周率から予測することは出来ないということである。

 残念ながら、円周率と巨大地震が一致したのは、一時的な現象に過ぎないだろうと思う。仮に、このまま地震の規模が拡大して円周率の数字通りの犠牲者が出続けるのだったら、これは自然現象ではなくて、何らかの人為的な原因による物理現象と見るべきだろう。

 実際、地震の日付や犠牲者の数が何度も連関して円周率と奇妙に一致するというのは、本来は起こらないはずの現象なのである。

 以前、書いたが、時間遷移(タイムトランスレーション)でも想定しない限りは説明出来ない現象であり、もし、そうならば、おそらく、今後10年以内にわかるはずである。



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